新規受注を獲得するための具体的方策を示す

今回は、簡単にデジタルコンテンツを作成するノーコードツールを開発・販売している株式会社ミリアドが、1月16日に開催した印刷会社の営業管理職を対象にしたセミナーを紹介する。テーマは「既存顧客に頼らない営業戦略の実現 ~新規受注を増やすための方法とは!?~」で、新規開拓が必要、差別化提案のアイデアが欲しい企業、あるいは新しい施策を打ちたいが何から着手すべきか迷っている企業や営業担当者に向けた内容になっている。同社マーケティング部統括マネージャーの関口祐一氏が、印刷業界向けの新規受注獲得のための具体的方策について解説した。その話の中から、顧客のニーズを知って課題解決のコンテンツを提案すること、見込み客へのアプローチの仕方に絞って紹介する。

レクチャーズ・ルーム 63
株式会社ミリアド マーケティング部統括マネージャー
関口 祐一 氏(講師)
関口氏は顧客のニーズについて「事前に顧客を調べて予想を立てておくことが大事です。例えば、インターネットの検索エンジンに顧客の『会社名』スペース『採用』を入力しただけでも、人材を採用したい企業が見えてきます。その際にいろいろな採用メディアに掲載している企業であれば、人材採用に相当力を入れていると言えるでしょう」と、インターネットで事前調査の必要性を話す。
企業にアプローチする場合、「直接電話をして担当者と話ができるようになれば、会社の課題について伺うと具体的な話をしてくれる場合があります。そうなれば顧客の課題が明確になり、課題を解決するコンテンツを推測することができます。あとはニーズに合った最適なコンテンツを考え提案するだけで良いわけです」と、顧客の課題発見の見つけ方について話す。つまり、課題の発見と解決については「お客様のことを知る」「調べる」「直接ヒアリングをしてニーズを掴む」ことが大切で、「その顧客に合ったツールやコンテンツを作って課題解決を実現することが大切です」というのである。
次に、そもそも会ったことがない、話したことがない見込み客(リード)の獲得については、「Web問い合わせ」「顧客紹介」「展示会への出展」「セミナーの開催」「メルマガの配信」の5つを提示する。「Web問い合わせ」は、自社のサイトからの問い合わせを増やすことが目的なので、問い合わせがあった時点で既にニーズがあることを意味していると指摘する。「確度の高い新規見込み客の獲得が見込めます。ただし、良いサイトと判断されるのは、サイトの更新頻度が高いケースになるため、サイトを頻繁に更新しなければならないのがネックになるでしょう。また、リスティングなど、高い広告予算を払い続けなければならないのもデメリットです」。
次の「顧客紹介」については、「実施したことがない会社は少ないと思いますが、既存のお客様から他のお客様を紹介していただくというもので、既存のお客様との関係が構築できていればいるほど紹介してもらえる可能性が高まります。そうでなくても、紹介キャンペーンを設けて、この期間内にお客様を紹介してくれたらこんなメリットがありますという特典を設けることで、成果に結びつけていくこともできます」と述べた。
「展示会への出展」と「セミナーの開催」については、目的と目標を数値で明確に決めておくことが重要で、数値目標を決めたら携わったスタッフ全員に目標を達成するよう明言することが大事だという。展示会では獲得する名刺の目標数を設定し、メンバー全員の獲得数を集計するとともに個々の獲得数を把握する。展示会終了後は、話し合って獲得した名刺を効果的に活かせる施策を立案し実行することが大切だと話す。「大事なことは、個々のメンバーが獲得した名刺数の数値を可視化し、決められた目標が達成できた要因はどこにあるのか、あるいは達成できなかったのはなぜかを、スタッフ全員で話し合い改善していくことです」と述べ、名刺獲得を可視化し次の施策に活かしていくことの重要性を説く。
また、停滞している顧客は放置することなく、定期的にメルマガを発信しコンタクトをとれるように働きかけていくことが重要だという。「即座の反応は期待できないかもしれませんが、情報発信を続けていくことでいつかタイミングが合って、お客様からレスポンスしてくれる日が来る可能性がありますから、情報発信の継続は非常に大事です」と、メルマガの情報発信の大切さを強調する。メルマガの発信は効率的かつ低コストな中長期的なマーケティング、経営の視点から見て重要な施策になるため、継続していくことが不可欠だという。
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