デジタル厚盛ニス・厚盛箔加工
感性に訴える付加価値の高いデジタル加工
市場では多くの印刷物が存在します。消費者から企業の担当者まで、手に取って見てもらうためには、インパクトのあるデザインや目を引く形状など、惹きつける要素が求められます。厚盛加工は印刷物の表面に凹凸を持たせて、見て触った感触を楽しんでもらう効果があるということで、高級志向のパッケージやDMの分野で利用されています。ただし、後加工を施すことで通常の印刷料金より高くなるのは仕方がありません。1枚や小ロット制作では、1枚当たりのコストはどうしても高くなるため、顧客からは敬遠されるところがありました。
従来のシルク加工の場合ですと、シルク版の作成コスト、版の位置合わせによるロスの発生。印刷後に加工を施すことで納期が掛かる上、多ロット生産向けということで、料金がどうしても高くなっていました。
しかし近年、UVインクジェット方式によるデジタル厚盛ニス・厚盛箔加工を実現したシステムが登場し、1枚からでも簡単に加工することが可能になりました。また、デジタル制作ですから版を作る必要がなく、データを作成すれば、そのまま印刷工程に進めますから、従来のアナログ方式よりも低コストで制作できます。
しかも、見当合わせが自動で行え、ニスと箔を重ねた加工もワンパスで行いますから、非常に効率的で短納期で制作することができます。オンデマンド感覚の小ロット生産向きなのです。このように利便性と利用価値があることから、デジタル厚盛ニス・厚盛箔加工のニーズはますます高まっています。
用途と効果について
名刺、ポストカード、DM、ポスター、パッケージなどの印刷物に使用でき、あらゆる販促品の訴求効果を高める働きがあります。デザイン次第で高い訴求力のある表現が可能です。
輝き、立体感を持たせることで、高級感を演出できますし、感触を与えることで消費者行動へ効果的な働きかけをすることもできます。そして、DMであれば見た目のインパクトと手触り感によって、すぐに捨てられないという効果を与え、レスポンス率の向上に繋がります。また、食品や飲み物の印刷で使用すれば、シズル感を演出できて、より引き立たせることができます。
商品サンプル
厚盛ニス
印刷物の表面に厚盛ニスを施すことで、艶のある凸を表現できます。写真やイラストの一部に使用しますが、インクジェット技術を使用したデジタルUVニス加工では、膜厚(高さ)が調節できるため、今までになかった表現・価値を付加することができます。DM、パッケージや本の表紙などで差別化でき、今まで以上の効果を発揮することでしょう。それと、同じ印刷面内で被膜を自由に設定できるようになっています。
機種の中には最大250μmのデジタル点字を高精度に印刷できるものもありますから、ユニバーサルデザインに対応した点字印刷物を1部から制作することも可能です。
厚盛箔加工
金箔、銀箔以外にも各色、ホロなどさまざまな箔加工が可能です。ホットフォイルならではの高輝度な再現を実現。ニスコートされた部分に接着する専用箔で、ニス部に箔が転写され、ワンパスでニスと箔を施します。きらびやかな光沢を与えることができます。
厚盛ニス加工+厚盛箔加工
厚盛ニスと厚盛箔を重ねることで、より高級感を与える特別な印刷物を作ることができます。より注目を集めたい販促品や、小ロットでこだわったDM制作、ポストカードなどに適しています。捨てないでいつまでもとっておきたい印刷物を作りたいのであれば、デザインの幅を広げる厚盛ニスと厚盛箔を組み合わせた加工に、チャレンジしてみてはどうでしょうか。
また、従来の箔押し加工ですと、印刷面に圧力をかけて凹凸を持たせていたため、用紙の裏面が凹みましたが、デジタル箔加工ではニスの上に箔を載せるため、圧力をかけることがありませんから、裏面は凹みません。それによって両面加工も可能になりました。
データ制作の留意点
ご自身でテータを作られる場合は、UV版(エンボス部分)は印刷の断ち落としより、2mm内側でデータを制作する必要があります。また、データを作る際は印刷用データ、厚盛ニス版、厚盛箔版データを、それぞれファイルを分けて作成・準備します。制作するソフトウェアはAdobe Illustratorが一般的です。使用できないソフトウェアがありますから、入稿先に問い合わせてください。
実際に入稿・発注される場合は、入稿先の製版・印刷会社の制作方法に従ってください。
【デザイナー・提案者の方に朗報】 デジタル加工では、今までの版を作るアナログ方式では困難だったニス、箔のモップアップサンプルの作成が簡単に可能になりました。また同時に、箔の色・絵柄違いなどの複数サンプルを、従来以上に低価格で作成することができますから、クライアントの方に提案がしやすくなります。
ご相談は厚盛ニス・厚盛箔加工に詳しい製版会社か印刷会社へ
厚盛ニス・厚盛箔加工を印刷物に施す場合、プロのデザイナーの方がデザインや制作を担当されるかと思われます。デザイナーの方がこれらのデジタル制作に初めて携わるのであれば、できましたら発注先の印刷会社に行かれて、印刷から後加工の工程、商品サンプルを見ていただくことをお勧めします。その品質の高さや仕上がり具合を見ていただき、デザインする際の参考にしていただくといいでしょう。
また、デザイン制作会社を介して制作されたことがない企業担当者の方が、初めて厚盛ニス・厚盛箔加工を希望される場合は、まずはこれらの後加工を行っている印刷会社に、電話あるいはメールでデザインから制作の仕方、段どりなどについてお尋ねください。的確なアドバイスを受けることができると思います。紙の種類や印刷方式によっても加工の仕方が変わってきますから、詳細な仕様を決める必要があります。そのためにも印刷会社との打ち合わせが不可欠ですから、気軽に問い合わせをしてください。丁寧に対応してくれるでしょう。
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