シール・ラベルのオンデマンド印刷を開拓!

有限会社田中凸版(GC九州)

〒812-0041
福岡県福岡市博多区吉塚4丁目6-50
http://www.tanakatoppan.co.jp/

製造部
主任 大城 菜乃 氏
   有島 志保 氏

1968年、亜鉛版や樹脂版を専門とする製版会社としてスタートした有限会社田中凸版(代表取締役 : 平川直樹)。今日では、培った製版技術を活かしてシール・ラベル印刷を中心に顧客のニーズに応えている。今回取材に応えていただいたのは、第一工場製造部に勤務されている主任の大城菜乃氏と有島志保氏である。両氏とも主にエプソンのデジタル印刷機「SurePress L-4533AW」を使ってシール・ラベル印刷を行っており、同社の主要製品の製造を担っている。仕事内容を中心に話を伺った。


女性二人でシール・ラベル印刷を担当

 大城菜乃氏は、2013年4月に福岡市内の4年制大学を卒業後、田中凸版に就職。「実はのんびりしていて、大学を卒業してから就職先を探すことになりました。就職課に赴いた時に田中凸版の求人票が掲示されていて、『シールが好きな人歓迎』といった文言を見つけて、それで面接を受けました。現在の田中会長が社内や工場を案内してくれて、そのまま入社したという感じです」と入社の経緯を話す。
 大学では心理学を学んだという大城氏。印刷業が畑違いなのは言うまでもないが、好きなシール作りということで、半年ほどで機械操作、業務の手順を身に付け、今日まで勤務を続けている。
 一方の有島志保氏は、佐賀県内の4年制大学で英語学科を出て、英語を活かせる仕事先として福岡のホテルに就職した。「フロント業務に就いた傍ら、元々ものづくりが好きでしたので、お客様をもてなすウェルカムカードなどを作っていました。シールにも興味がありましたので、その分野に進みたいと思い、ホテルを退職してハローワークで田中凸版の求人票を見て面接を受けることにしました。実際にシールが作られる工程を見て、私も作ってみたいという思いになり入社しました」と入社の経緯を語る。有島氏は2024年2月の入社で勤続2年半ほどになる。
 同社は第一工場と第二工場を持っており、二人が勤務しているのは第一工場。2012年に九州で初となるエプソン製のデジタルラベル印刷機「SurePress L-4033A」の第1号機を導入し、シール・ラベルのデジタル印刷に本格参入した。以後、2021年に後継機の「L-4533AW」へ切り替えてデジタルオンデマンド事業を拡大しているところだ。
 同機は7色の水性顔料インク(ホワイトインク搭載)を使っており、高品な印刷に定評があるだけでなく、シールやラベルの小ロット・多品種生産に適しているのが特長だ。二人は、同機を使ってシール・ラベルを制作するのが主な仕事であるが、「L-4533AW」だけでなく、カッティングプロッターやラミネート機など、工場内にある機械を駆使して、さまざまなシール・ラベルの印刷・加工を行っている。
 因みに、第1号機が導入された当時はオペレーターが一人だったが、大城氏が入社して二人体制で業務に当たるようになった。大城氏は先輩から操作を習いながら仕事を覚えていったという。そして、2024年に有島氏が入社したことで、今度は大城氏が有島氏に機械操作を教える立場になり、現在は女性二人で同機を使いこなしている状況だ。

有島氏の絵によるオリジナルシールの販売を構想

「L-4533AW」では、表からも裏からも見える両面印刷シールを作る場合は、糊面を印刷した後に透けにくい素材を貼り合わせて、その上から表面を印刷して製造しているとのことだ。
 「以前は製版の仕事が中心でしたから、製版時代に取引していた印刷会社さんが主なお客様になります。極小ロットから大量印刷までさまざまなニーズに応えています。エンドユーザー様は多種多様で枚挙にいとまがありません」(大城氏)。
 「とにかく有島さんは吸収が速くて、教えたらすぐに仕事をこなすことができます。しかも非常に真面目で、入社当時は機械のマニュアルを家に持って帰って勉強するほどでしたから。それと驚かされるのは、有島さんはこれまで体調不良で一度も会社を休んだことがないのです」(大城氏)とのことで、有島氏の有能さに触れる。
 有島氏は、「入社当時は印刷業界のことは全く知りませんでしたし、初めて見る機械ばかりでしたから、大城さんのご指導を仰いで、一つひとつ仕事を覚えていきました。これからはあまり大城さんに頼らずに、もう少し自分でできることを増やしていきたいと思っています」と言う。
 女性同士ということもあって気軽に話し合える仲であるのも強みと言えよう。同社は田中会長の人柄もあって、職場は和やかで、社員間のコミュニケーションもスムーズだという。「営業部や制作部との連携もうまくできていると思います。社長にも何か困ったことがあれば、その都度相談して解決しています」(大城氏)。
 これまでは顧客から入稿されたデータのとおりに製造する受注生産であったが、有島氏がイラストを描くのが得意ということもあって、描いたイラストを会社のドアにオリジナルシールとして貼っているとのこと。「お客様から好評価を得ています。それで田中凸版のオリジナルシールを作って商品化を考えているところです」(大城氏)と、自社オリジナルシールの販売構想があるという。
 「若い人たちの発想・知恵を活用して新しい事業に挑戦しているところです」(大城氏)。縮小が続く印刷業界にあって、シール・ラベル印刷市場は堅調であるため、同社の特色を出したオリジナルシールづくりに期待したいところである。


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