選ばれ続けるためには「品質」と「独創」が大切

今回は、7月9日、10日に開催された「モトヤコラボレーションフェア2026TOKYO」のセミナーで、9日午後に「『選ばれ続ける会社』であるために」をテーマに、GCJ理事で株式会社セントラルプロフィックス代表取締役社長の田畠義之氏の講演内容を紹介する。田畠氏は経営理念や、今日まで販路拡大し成長し続ける経営志向について話した。デザイナー視点によるデザイン経営的な展開を早くから実践し、商品力を高めることや、物事の本質を理解することの重要性を説いた。また、価格転嫁を進めるには、仕様が固まってから顧客に呼ばれるのではなく、企画段階から呼ばれること。そのためには、知識や見識を応用した提案力を持つことが大切だと述べた。

レクチャーズ・ルーム 80
㈱セントラルプロフィックス 代表取締役社長
田畠 義之 氏(講師)
田畠氏は、2001年に製版専業会社だった株式会社セントラルプロフィックスの代表取締役社長に就き、以後、製版レスの波を乗り越え総合印刷会社化し、さらにペーパーレスの逆風下の中、長年にわたり売り上げを右肩上がりで伸長させてきた。
田畠氏は「すべては我々が大切にするクライアントさんが選ばれ続けるために、そして、我々がそのクライアントさんから選ばれ続けるために、『選ばれ続ける品質を』を経営理念に掲げています」と話す。
ビジネス展開の本質について以下の9項目を挙げる。
1.「自社事業構造の徹底した本質理解からの事業戦略展開」
2.「注力すべきは 商品力 ≧ 営業力」
3.「できる事でなく、勝てる事をする」
4.「検知・破壊・創造・一貫 突き抜ける経営、まずは経営者・マネージャーの仕事・上昇への高い熱量は必須」
5.「印刷物メーカーとして、メーカーであれば『製造』・『販売』・そして『研究開発』、研究開発的な展開が無いと同質化競争、よって価格競争に陥る」
6.「社員における向き・不向き、本質理解型・非理解型等、徹底的な、時には大胆な適材適所への展開」
7.「会社における全方位的な改善・改革が肝、一点豪華主義では先行かない」
8.「営業担当が、企画段階や仕様の決定前にクライアントから呼ばれ相談される展開」
9.「『どうなるのだろうか』でなく『どうするか』でしょ、当事者意識・チャレンジ精神」
また、田畠氏は、2020年から学んでいる「デザイン経営」がこれまでの自身の経営とオーバーラップし、腑に落ちていて、今の会社経営にも大いに役立っていると話す。
「デザイン経営」の肝はデザイナー視点、デザイン思考、すなわち、徹底した顧客志向・顧客目線における、そのリクエストの真の本質理解からの着眼点・展開を会社経営に取り込むことだと説く。
「デザイン経営」を具現化するには、成功しているデザイナーを経営会議に参画させることが大事だという。なお、意匠(デザイン)の部分がメインではないとし、ものの捉え方・考え方にフォーカスすることがポイントと指摘する。
しかし、なかなか自社の経営に成功したデザイナーを取り込めないのが実情であるため、多くの中小企業としては、「経営者自身が『デザイン経営』を学び取り入れることが大事です」と、経営者自らが積極的に学ぶ姿勢が大切だと言う。
例えば、「世界的クリエーターの佐藤可士和さんはセミナーで、デザインコンペ案件においてクライアントからの10の要望に10で返すのでなく、15、20も返せば勝てますという話をされましたが、言うのは簡単です。大事なのは、その10の要望における完全なる本質理解が無ければ、的を得た真の15や20は返せません。表面的な理解では応用が全く効かず、徹底した本質理解からの展開が最重要です」と、本質を理解して仕事や経営に臨むことを説く。
そして、「デザイン経営」の第一人者である田子學氏からは、「本質理解」の大切さをさらに学び、その肝となるステップとして、とことん調査し知識を得る「検知」、検知で得た情報を一回疑う「破壊」、検知・破壊後に「何を作るか」ばかりでなく「なぜ作るのか」を大事にする「創造」、顧客目線を大事に、試行錯誤も含め、やり遂げる「一貫」を教わったとのこと。それで同社でも、「検知」「破壊」「創造」「一貫」を経営計画書に明記し、全社で実践することを目指しているという。
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