SNSによるマストバイキャンペーンが主流に!

今回は、4月11日に「第69回インターナショナルプレミアム・インセンティブショー春2024」で開催された、企画・マーケティング事業を展開している株式会社ウィナスのソリューション事業本部WEB戦略事業部執行役員の増子健太氏の講演を紹介する。
「WEBやSNSを利用した集客・販促キャンペーンシステムの活用術」をテーマに、消費者キャンペーンの手法として急増中のデジタルマーケティングの成功ポイントとその後に必要な施策について解説した。増子氏は実店舗やSNSとの連動、長期的な囲い込みが必要であるとし、販促キャンペーンを成功させるにはSNSやマストバイキャンペーンを絡めた施策、キャンペーンデータからPDCAを回していくなどが必要だと説いた。

レクチャーズ・ルーム 60

株式会社ウィナス   執行役員
増子 健太 氏(講師)

 増子氏は、2024年はデジタルで展開するマストバイキャンペーン(商品の購入を条件とするキャンペーン)が主流で、LINE連携型やSNS連動企画が急増していると話す。マストバイキャンペーンは、店頭で商品を購入してハガキやWebサイトで応募し、購買証明をアップロードすることで条件を満たすと、抽選で景品がもらえるという仕組みで、「売上が確実に上がる」「店舗集客に繋がる」「購入条件の設定によって客単価を上げることができる」といったメリットが挙げられる。

 続いて、マストバイキャンペーンの購入証明の種類と応募方法についても言及。長期的にキャンペーンを実現できる方法には「パッケージを切り取って台紙に貼って応募」「商品シールを台紙に貼って応募」「QRを読み取ってサイトで応募。またはシリアルナンバーを入力して応募」「購入時のレシートを台紙に貼る。または写真をアップロードして応募」の4つがあり、それぞれのメリットとデメリットを述べた。

 キャンペーン企画における傾向については、インスタントウィン(即時抽選)キャンペーンが伸びている点を強調。増子氏の会社で携わっているキャンペーンを調べたところ、過去3年間でインスタントウィンのキャンペーンが急増していると話した。「あるキャンペーンは、元々は後日抽選にしていたが、インスタントウィンに変えたところ応募数が2.7倍に伸びました。このことからユーザーとしてもインスタントウィンのほうが応募に参加しやすいということが分かります」と、数値でインスタントウィンの伸びを示した。

 インスタントウィンのメリットについては、参加ハードルが低く当落結果がすぐわかるため、ユーザーはゲーム感覚で応募に参加しやすいこと、抽選作業や景品付与のコストと作業負荷を大幅にカットできること、さらに企業側が不要な個人情報を取得する必要がないため、ユーザーも安心して応募できる点を挙げた。

 増子氏は「企業がより費用対効果の高い販促施策を行うために最も注力すべきは、デジタルのマストバイキャンペーンです」と明言。市場では、キャンペーンのプロモーションで「X」などのSNSをきっかけにアクションを起こす消費者が増えている点を指摘した。アンケート調査ではSNSでキャンペーンを知った消費者が30%程度を占め、中でも食品メーカーのキャンペーンではSNSで知る機会がトップになっており、年々、マストバイキャンペーンとSNSの親和性が高まっていると話した。

 「今はSNSがきっかけでキャンペーンに参加するユーザーが圧倒的に増えています。2024年はSNSとマストバイキャンペーンを絡めた施策が成功のポイントになります」と、明言する増子氏。

 また2つ目の成功のポイントとして、データ起点のキャンペーン設計の重要性を指摘した。「目的に応じてキャンペーン企画を設計することは当然ですが、データを起点とし複数の要素を組み合わせて企画設計することが成功のポイントになります。さらにキャンペーンデータからPDCAを回していくことが効果を最大化する秘策になります」と、データ活用が重要だと言う。

 さらに「単発のキャンペーンだけでなく、LTV(顧客生涯価値)を向上させるためにはキャンペーンの実施で蓄積したデータを活用して顧客を囲い込み、CRM(顧客関係管理)施策を行うことが最も重要です」と述べ、そのためには「CRMを行う手段はさまざまであるが、予算や優位性、相性などに応じて自社の方法でミニマムから進めていくことが成功のポイントです」と指摘し締めくくった。

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