page2026展示会レポート

「Re:Connect ~再びつなぐ、印刷のチカラ。」のテーマの下、最新鋭機器・システムが一堂に会する

「Re:Connect ~再びつなぐ、印刷のチカラ。」のテーマの下、最新鋭機器・システムが一堂に会する

 (公社)日本印刷技術協会(JAGAT、網野勝彦会長)が主催する印刷メディアビジネスの総合イベント「page2026」が、2月18日から20日までの3日間、東京・池袋のサンシャインシティで開催された。今回のテーマは、「Re:Connect ~再びつなぐ、印刷のチカラ。」。つながりを重視した内容を継続し、印刷産業の未来を提言するイベントとなった。既存の「工場ソリューションゾーン」に加え、新たに「紙以外印刷ゾーン」と「自動化ゾーン」が設置され、前回を上回る136社・498小間の規模となり、盛況を博した。ここでは展示会に焦点を当てて、主な出展社の製品を紹介する。

最新鋭のデジタル印刷機が勢ぞろい

 富士フイルムグラフィックソリューションズ㈱は、「アイデアを、響くカタチに。ビジネスを、もっと自由に。」をテーマに、プロダクションプリンターの最新モデル「Revoria Press PC2120」の実機のほか、デジタルワークフローソフト「Revoria XMF PressReady」、バリアブル印刷ソフト「FormMagic5」、ジョブプランニング&面付けソフトウェア「Phoenix」などを出展した。
 今回、デジタル印刷機を含めた最新のデジタルツールを活用することで、分析力、企画提案力、創造力をいかに高め、どのような価値を提供できるのかを具体的な成功事例を交えながら提案した。
 特に注目を集めたのは「Revoria Press PC2120」である。独自のAI技術により、最適な用紙設定・画質設定・画像補正を提案する機能と、新開発の「グリーントナー」を搭載した最新鋭機で、操作性、生産性、表現力が一段と向上している。「用紙プロファイラー」に用紙をセットするだけで独自開発のAIが用紙特性を解析。フィルムやアルミ蒸着紙などの特殊紙も読み取ることが可能で、用紙の種類・坪量・色などの項目により最適な設定をオペレーターに示してくれる。
 これによって、用紙設定作業の自動化・効率化を実現し、誰でも高品質な印刷を可能にするというメリットをもたらしている。テスト印刷と目視確認が不要となり、作業時間を大幅に削減することができる。
 また、画質設定を最適化するAI技術を搭載したプリントサーバー「Revoria Flow PC31」が、入稿データの特徴を解析し、文字や細線の強調や調整などデータ特性に応じた最適な画質設定も提案する。さらに画像補正のAI技術では、入稿データに含まれる写真や画像のシーンをAIが自動判断し、人物や風景などの色味に応じた最適な画像補正を行い、それぞれのシーンに合った色味で表現できるようになっている。
 今後、さらにデジタル印刷機を進化させるとしたら、現場に応じた自律的なリアルタイム補正、予知保全によるダウンタイムゼロ、ロボットによる完全無人化などが考えられるが、「Revoria Press PC2120」はそれを予知させてくれるデジタル印刷機と言えるかもしれない。
 コニカミノルタジャパン㈱は、「Be intelligent ~印刷にかかわる人にヒラメキを。」をテーマに、自社の強みを最大化するヒラメキを提案した。
 高い生産性を誇る新発売のプロダクション機「AccurioPress C5080」を出展。新オプションの「IM-104/105」は、用紙特性を自動認識し、熟練オペレーターでも判断が難しい用紙特性や機器環境に応じた設定を自動化する機能。これにより、用紙設定に関わる手間やトラブルを軽減する省力化を提案した。
 また、業務指示と進捗状況をリアルタイムで更新する「AccurioPro Dashboard jobManager」は、業務フローに柔軟に対応し、現場の進捗・作業実績を無理なくデータ化する。属人的な管理を減らし、案件別原価把握や利益構造の理解を支え、経営判断のための進捗管理基盤になる。クラウドベースにより誰でもどこでも進捗入力・確認が可能になっている。ジョブデータの収集時間を削減し、ミスを防ぎ、効率化とクリエイティブな時間の創出が可能である。
 プリプレス分野に注力している印刷会社に向けては、DTP工程の見える化とデータセキュリティ管理を謳った「Neostream」が提案された。常に状況が変化する作業内容で、リアルタイムの進捗状況を知ることが重要である。同機はクラウド環境により、どこからでも進捗状況を確認でき、「ムリ・ムダ・ムラ」を解消し業務効率化を実現するソリューションとして提示された。このように同社では、クラウドサービスを軸にしたソリューションを提案することで、オペレーターの作業負荷の軽減や運用コスト削減の支援を強化しているのが窺えた。
 リコージャパン㈱は、「共に挑み、共に創る。」をテーマに掲げ、印刷市場の変化に対応する「Co-innovation(協創)」を軸に、業務自動化や生産性向上を支援するソリューションを展示した。主な展示内容は、新規ビジネスアイデアを紹介する「印刷商材Lab」と印刷現場の業務効率化ソリューションである。
 中でも色管理では、「RICOH Auto Color Adjuster」を活用した自動化で脱・属人化を提案。簡単な操作と自動化オペレーションで、日々の色調整や色判定をスキルレスに行うもので、色品質の数値化により効率的で客観的な品質管理が可能。さらに、実画像の見本に対しても色合わせができるリコー独自技術も搭載している。
 「工場ソリューションゾーン」「自動化ゾーン」において、人手不足やコスト上昇に対応する工程自動化・可視化技術を提案。人手不足や2030年問題に対応する務効率化、および生産現場のDXを支援する提案を行った。また、印刷会社の現場で自動化ソリューションを導入した事例も紹介した。

経営課題を解決するツールも出展

 約20年ぶりの出展となったリョービMHIグラフィックテクノロジー㈱は、「RMGT-CSPI」パートナー企業である株式会社コア/コアネットインタナショナル株式会社、キャレオスパートナーズ株式会社と連携して、印刷現場および経営の両面から課題解決につながるソリューションを紹介した。
 ブースでは、印刷機の消費電力をリアルタイムで計測・記録し、エネルギー効率改善を支援する電力データ集計ソフト「Power Data Logger」を提案。2050 年カーボンニュートラルの目標に向け、印刷業界もエネルギー効率の改善が求められている中で、オーダーメイドで印刷や製本加工時の使用電力量をジョブ単位で集計して、CO2排出量を算出する電力量・CO2排出量を可視化するシステムとして提案した。
 同システムは、各ジョブの時間や消費電力を基に算出・表示できるようになっており、請求書や納品書に具体的なCO2排出量を記載することで、印刷会社は顧客への説明に説得力を与えられる。導入することで、印刷1枚当たりの消費電力や特定期間における合計電力量を算出できるため、省エネ計画の立案がしやすくなるというメリットがある。
 ㈱モリサワは、デスクトップフォント・Webフォントともに新プランはじめ、より便利に使えるサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」や、新書体をはじめとする各種フォントソリューション、営業担当などビジネスパーソン向けの研修“「伝わる」資料デザインプログラム”などを提案した。
 今回紹介されたフォントを見てみると、一層多様化しており、特徴を持った個性的なデザインが増えていることが見て取れる。より装飾的で感情に訴えかけるフォントが提供されている印象だ。傾向としては、ハイコントラストなデザインやレトロポップな世界観を演出したフォントが見受けられた。
 また、「石井明朝」をはじめ写研書体がOpenTypeフォントとして順次復刻されているのは、写植を経験しているデザイナーには食指が動くのではないだろうか。
 さらに、新書体第2弾として100ファミリー以上がこのほどリリースされた。多彩な和文フォントからグローバルな情報発信にも適した欧文、中国語、タイ文字のフォントを大幅にアップデートしており、個性を極めたデザインフォントが拡充しているのが窺える。
 SCREEN GAグループは、「両利きの力でビジネスを進化-営業力と生産力を極める-」をテーマに、多様化、省力化、環境配慮、人材確保など、印刷業界に求められる変革に応えた出展内容となった。自動化・省力化を駆使したスマートファクトリーの実現を後押しするソリューションを提案した。
 ブースでは、顧客ニーズを逃さないデジタル印刷ソリューションを提唱し、デジタル印刷機によるサンプル展示、バリアブル印刷に対応した多機能ソフトウェアのデモンストレーションを実施した。主な出展機種は、最新の高速連帳デジタルインクジェット印刷機「Truepress JET560HDX」をはじめ、「Truepress JET 520HDシリーズ」、新製品の「Truepress JET520NX AD」やA3対応枚葉フルカラーインクジェット印刷機「Truepress JET S320」。サンプル品を紹介し注目が集まっていた。新製品では、網点形の工夫で印刷適性を維持したままインキ量を削減する、175線相当のAMスクリーン「Helidot」を出展した。
 注目したいのは、DMやチラシ、ラベル向けなど、多様なバリアブル印刷用のデータを簡単かつスピーディーに作成できる最新のソフトウェア「PDFormstudio Ver.2.41」と、最新のワークフローRIP「EQUIOS Ver.11」である。後者は「デジタルコンテンツファクトリーE2E」との連携により、自動化・省力化を実現するワークフローソリューションである。また、入稿・校正を実現した「EQUIOS OnlineVer.8.0」は、クライアント・制作・製版の各工程をシームレスにつなぐコミュニケーションツールとして注目が集まっていた。

目立つデジタル化・効率化の追求

 ホリゾン・インターナショナル㈱は、協働ロボットや最新のワークフローシステムを活用した印刷加工現場の全体最適化を提案した。最新のポストプレスマネージメントシステム「iCE LiNK」をはじめ、ロボット連携を活用した中綴じ・無線綴じの自動化システム、高速断裁機などのデモを実演した。
 プリンターインラインダイカットシステムとして、分離装置「SPC-N4055」、型抜き装置「RD-N4055」、シートバッファモジュール「SBM-200RD」の型抜き・断裁システム、AGV 連携中綴じシステムとして、「iCE STITCHLINERMark V」/給紙装置「HSF-50」、オートスタック・帯掛け・デリバリ装置「gamma502 HO Japan Edition」、ロボット投入無線綴じシステムとして、協働ロボット+セパレーター、無線綴じ機1クランプタイプ「iCE BINDER BQ-300」、三方断裁機「iCE TRIMMER HT-300」などを出展し、同社のスマートァクトリー構想を提案した。
 ㈱大塚商会は、「印刷ビジネスの成功を支えるヒント」をテーマに、最新のデジタル印刷機や周辺ソリューションを紹介した。
 出展内容は、POD機、検査装置、サンプル品・動画展示による枚葉インクジェットプリンターなど。同社POD推進部が中心となり、POD機の導入からアフターフォローまでの一貫したサポート体制を提案した。また、恒例となった「PODパートナー会」コーナーでは、加入企業による展示コーナーを設営し、印刷ビジネスの具体的な成功事例や商売繁盛のヒントが公開された。
 コダックジャパンは、デジタル印刷とオフセット印刷を融合させたハイブリッド印刷ソリューションを中心に展示した。ハイブリッド印刷の「KODAK PROSPERインプリンティングシステム」は、オフセット印刷工程にインクジェット機能を付加し、生産性を損なうことなく印刷を実現。また、オフセットの他にフレキソ・グラビア印刷機・後加工や仕上げ機器に統合できるよう設計された「PROSPER プラス」および「PROSPER Sシリーズインプリンティングシステム」並びに「PROSPERプリントバー」を紹介した。
 製版関連では、完全無処理プレート「KODAK SONORAXTRA」、三菱製紙と協業した現像不要サーマルレーザーフィルム「TRF-IR830」を出展し出力デモを行った。
 ㈱新星コーポレィションは、「デジタル印刷の5色目が印刷に付加価値を作る」をテーマに、メタリックカラー印刷を効率化する「Color-Logic Design Tool Kit」およびピンク、グリーンを加えた拡張された印刷色再現を簡単に行える「Touch7」や、メタライズフィルム出力可能のラミネーター「GDRR380」を紹介した。
 Color-Logicは、Adobe CC対応のカラーパレットとプラグインにより、標準280色、オプションで最大924色のメタリックカラーを簡単に再現できるソフトウェア。また、印刷色見本帳を簡単に作成でき、カラーコミュニケーションを可視化し、短納期や小ロット生産にも柔軟に対応可能なワークフローを実現するものだ。
 Touch7はAdobe Photoshopのプラグインで、RGB、CMYKのそれぞれの色空間からピンク、ブルーといった追加色をワンクリックで分版作成できる。その後、画像ソフトウェアでの編集・レタッチが可能でデザインの柔軟性、自由度を提供する。同社では、短納期や小ロット印刷、クライアント・デザイナー・印刷現場間の意思疎通といった印刷ビジネスの課題を解決する提案を行った。
 誠伸商事㈱は、経営管理システムのMIS「印刷管太郎」をさらに進化させた「印刷管太郎XI」を出展した。用紙の発注から在庫管理までを行う機能を搭載(要カスタマイズ対応)。在庫を管理する管理画面、発注画面でバーコード生成し、発注書にバーコードを印字しリーダーで読み込みすることが可能となっている。これによって効率的かつ正確に在庫管理が行えるようになった。
 自動組版普及委員会は、GC中部の㈱ニューキャストとGC東京の㈱アズワンのgcj組合員と、マニュアル用CMS「PMX」を提供している㈱サイバーテック、自動組版システムを提供しているアンテナハウス㈱、AdobeIllustrator/InDesign対応自動組版プラグイン『組技』を提供している㈱N.ジェン、「流し込み組版」を提供している法規書籍印刷㈱の6社が合同で出展した。
 カタログ需要の変化に応じた自動組版の紹介、Webツールやデータベースを活用した自動組版ソリューション、Webベースのコンテンツ管理システムと組版の統合システム、多言語マニュアルの自動組版など、それぞれの会員企業が開発・販売、支援している自動組版システムを提案した。同会場ではDTP制作会社に勤めている人の来場が多いことから、ブースでは各社の説明に熱心に耳を傾けたり、質問したりする人が多く、自動組版に関心が高いことが窺えた。

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