置き版・在版フィルムスキャニングサービス

置き版フィルムをスキャニングしてデジタルデータ化します

製版会社や印刷会社、出版社、広告代理店の各企業の皆さん。かつて、アナログ製版で制作した製版フィルム(ポジフィルムやネガフィルム)を、社内の保管棚で保管していませんか。それらのフィルムは「置き版フィルム」「在版フィルム」と言われており、再び同じ印刷物を制作する際に必要になります。それで保管しているわけですが、しかし、フィルムを使用して印刷すること自体が激減している今日、将来的に再び同じフィルムを使用して印刷することはあるのでしょうか。

デジタルワークフローが当たり前になりつつある印刷業界ですが、従来は、製版フィルムをPS版(アルミ製の板)へ焼付けたり、最近ではCTPで露光したりした版で印刷する方法が主流です。しかし、CTP化やデジタル印刷機の台頭で、それらの刷版印刷は減少傾向にあります。今後更に、フィルムレス化が進みますと、置き版フィルムで再び印刷物を作るケースが出てきたとしても、扱ってくれる製版・印刷会社は非常に限られてくるでしょう。また、経年劣化する上に、かさばる置き版フィルムを、いかに保管していくかという問題があります。そこで、お手元で保管している置き版フィルムをスキャニングして、デジタルデータ化しておくことをお勧めします。これは経年劣化するフィルムを守る上でも必要なことだと考えられます。

古くなった置き版フィルムは、扱い方によってフィルムが破損してしまうことがあります。だからと言って、素人の方が破損したフィルムを市販のテープで安易に貼り合わせるのは、失敗したり、正しく貼り合わせられなくなったりして、正確にスキャニングできない問題が生じます。貼り合わせる必要がある場合は、プロの製版会社にお任せください。また、フィルムを製版会社に持ち込まれたり、郵送・宅配されたりする場合は、予め製版会社に梱包の仕方を尋ねて、適切な処置を施して送ってください。

単純にスキャニングすれば良いということで、素人の方が市販のフィルムスキャナを使ってスキャニングするケースがありますが、写真のような35mmのリバーサルフィルムならまだしも、A4判以上のフィルムになりますと、一般的なスキャナでスキャニングするのは無謀です。プロに依頼してください。ましてやビジネスで使っていた置き版フィルムとなりますと、適切な処置でスキャニングし、データを保管しなければなりません。フィルムは資産ですから、適正に扱ってデジタルデータ化しましょう。

また、市販のフィルムスキャナには高画質でスキャニングできない製品もあります。しかもフィルムにゴミやホコリが付着していますと、データにその汚れが写り込んで、トラブルの原因になってしまいます。だからと言って、素人の方がフィルムの汚れを取り除くのは、フィルムを傷つける原因になりますのでやめた方が賢明です。

ゴミは、スキャニングした後にモニターを見ながらデジタル処理で取り除きます。それは手間が掛かりますし、プロの作業になります。的確に取り除くためにも、製版会社などのプロに依頼されることをお勧めします。

広告代理店、デザイン会社、印刷会社の方へ

過去に印刷したお客様の置き版フィルムを預かっていて、お客様からの要望もしくはお客様にデータ化を提案される場合で、自社でスキャニングできる機材をお持ちでないお客様も多いかと思います。その際は、プロユースのスキャニング設備でサービス展開している製版会社に依頼してください。

ドラム式高解像度スキャナの作業風景

それらの製版会社では、最適な方法でスキャニングしてデジタルデータに保存するサービスを行っています。例えば、置き版フィルム(ポジ・ネガ)およびペーパーを、コピードット※1専用のスキャナで入力しますし、DCS形式(画面上で印刷用のカラー分解版を作成する)の1bit(白黒のモノクロ2階調)TIFFやEPSを作成することができます。また、置き版フィルムからDTPソフトで貼り込めるデータも作成します。

キズ・ゴミ消し加工はワークステーション上で行う

スキャニングし、最適化されたコピードットデータは、本機校正やDDCPで色校正して仕上がりを確認することもできます。また、「G3、G4、DCS、EPS、TIFFの各種フォーマットに対応」「データの拡大・縮小処理が可能」「網消し処理(ディスクリーニング機能※2、8bit、CMYK画像に変換)に対応」「キズ・ゴミ消し加工に対応」「出力解像度1,200~4,000dpiまで対応」「B全ワイドまでのスキャニングに対応」などのサービスを行っています。

画面を拡大して極小のゴミを取り除く

具体的には、「2,400dpi → 2,540dpi」や「2,400dpi → 2,438.4dpi」のように、出力機の仕様に応じて解像度を変換・最適化します。また、RIPのキャリブレーションのような自由度の高いドットゲイン補正が可能で、網点の太らせ・細らせ処理を行うことができます。スキャニング後のデータは、ご希望のメディアに書き込みます。

こんな置き版フィルムや紙媒体をスキャニングしてデータ保管を

個人ユーザー

家族のアルバム(紙媒体)、自費出版物(印刷会社で保管しているケースがほとんど)など。

企業ユーザー

カタログ、チラシ、パンフレット、会社案内、社史、定期刊行物、記念誌、広報誌、社内報、イラスト・写真類、その他ページ物など。※1 コピードット コピードットとは、フィルムの網点をそのままの形状でスキャニングした、モノクロ2階調の1bet TIFFの画像データのことを言います。解像度は2,400dpiが基本となりますが、クライアントのRIP環境、CTPの出力解像度に合わせて設定することができます。フィルムの修正がない場合は、そのままの画像データでCTP刷版できますから、置き版フィルムのスキャニングには最適と言えるでしょう。 ※2 ディスクリーニング処理 入力した1bit画像を、Photoshopで編集できる8bit×4(32bit)のCMYK画像に変換します。印刷物をスキャニングした画像より高品質に仕上げ、用途によって解像度の上げ下げやぼかし具合(シャープネス加減)も選択できます。

お問い合わせ先:株式会社アート・スキャナ・サービス

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