新規営業の勘所は営業力と仕組力をつけること

 今回は、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が、8月28日、29日に開催したイベント「GC MAX2025夏」で、「印刷会社の逆襲セミナー!営業力と仕組力UPでもっと頼られる印刷会社のヒントを教えます!」をテーマに開催したセミナーを紹介する。講師は感動会社楽通株式会社の代表取締役 田村慎太郎氏。同社はデザイン制作を主体にしている広告代理店。ビジネスの中に面白さと斬新なアイデアを取り入れた営業を展開しているのが特徴である。印刷産業が縮小している中でも、営業力と仕組力を付けることができれば、顧客から「ありがとう」と言われ受注が継続することが可能だと話す。現在展開している事業から、印刷会社に役立つ営業の仕方を説いた。

レクチャーズ・ルーム 70

感動会社楽通株式会社   代表取締役
田村 慎太郎 氏(講師)

 田村社長は営業の役割について「新規開拓」「情報収集」「お客様との交流」「顧客の要望を的確に実現する存在」「定期的に訪問する存在」「必要とされるものを見極める存在」「顧客との信頼関係」「顧客とのコミュニケーション」「顧客への提案」「新規アプローチ」「問い合わせへの対応」などを挙げる。
 「印刷業界においても、営業マンを無くしたいとか、育てないとか、外部に任せるとか、営業をネットで行うといった方法が増えつつあります。しかし、営業を行う人がいなくなると、会社の価値を伝える人がいなくなり、会社の価値がどんどん下がっていくことになります。ですから、これからも営業マンを育てていく必要があるわけです」と、営業担当者の重要性を説く。
 次に田村社長は自社の営業手法に触れ、「得意先が100件あれば、上得意先2割については、仕事があろうがなかろうが、必ず定期訪問しています。未来に生じる仕事を獲得するためにも定期訪問を欠かせてはいけません」。定期訪問することによって顧客とのコミュニケーションが深まり、仕事に関する話も出やすくなるメリットがあるからだ。
 また、「リピートに繋がりそうな仕事に関しては、顧客から問い合わせがあって初めて動くのではなく、自ら訪問して『あの仕事を早めに動かしませんか?事前にサンプルのデザインを考えてきましたのでご覧ください』といった提案をしていくべきです。それによって、ライバル会社に相見積もりや受注されないようにするのです」と、サンプルを持参する先回り営業を薦めた。
 また、田村社長は毎日多くの顧客に来社してもらってヒアリングを行っているという。その面白い試みが「楽通取調室」である。この取調室で顧客の印刷に関する困りごとや問題点を聞くことにしているという。「取調室と言えばもちろんかつ丼です。当社も話を聞いた後にはかつ丼をお出ししています」とのこと。そんな遊び心のあるアイデアが受けて受注に繋がっているという。同社では顧客に同じような取調室を販売し、顧客に代わってお客様への代行取調べや営業コンサルティングのビジネスを展開している。
 田村社長は既存顧客編として次の5項目を挙げて実践を促す。1. 上得意先上位20%は必ず定期訪問。2. 得意先ごとではなく案件ごとで管理。3. 依存顧客に+αの提案をして新規売上を増やす。4. 定期になりそうな案件にはアラーム(時期を知らせる機能)を付ける。5.お客様カルテを作成し、それを訪問ごとに埋める。
 また、新規営業には初級編と上級編があるとし、新規初級編では、1. 顧客に紹介できる新商品を作る。2. 作れなくても、同業他社の売れそうな商品を売る。3. 新規営業だと思わないほど簡単にする。4. 自力営業が無理ならバーチャル営業マンを作る。5. 名刺をインパクトあるパンフレット風にして配る。という5項目を提案した。
 新規上級編については、1. 先にカタチにして後で仕事をGETする。2. お客様型営業(下請け受注などの場合は、仕事を出すふりをして見積依頼し逆営業する)。3. 地域の困りごとを解決する風の営業をする。4. 印刷会社だからできるメリットを使って営業。5. 誰かに紹介してもらう紹介代理店を作る。ということを提示した。
 最後に、これからの印刷物のキャッシュポイントについて田村社長は、「ライバルにできない一点突破の自社商品・サービスを作る」「お客様の懐から逆算した提案をする」「ヒアリングをしてお客様のことをとことん聞き出す」「『ここまでするか』に挑戦する」「仕事を楽しみながら顧客も楽しませる」の5点を挙げて、実践するよう提案した。

新規営業 GC MAX2025夏