「分かりやすく伝える」を信条に新市場に進出

教育コンテンツ制作の専門家として50年の実績と経験を持つ大寶製版株式会社。「より良い学びを支える仕事をする」を経営理念に、紙媒体からデジタルコンテンツまで各種教材を制作している。今回お話を伺ったのは、デジタル教材制作を手掛けているコンテンツデザイナーの伊藤真由美氏と、デジタルコンテンツプログラマーの伊藤大樹氏。また、昨秋代表取締役社長に就任した山田大地社長にも経営方針を聞くことができた。


大寳製版株式会社(GC中部)

〒486-0856
愛知県春日井市梅ヶ坪町108-2
https://taiho-pp.net/ 

Contents Designer
伊藤 真由美

DigitalContents Programmer
伊藤 大樹

2D・3Dコンテンツのデジタル教材を制作

 伊藤真由美氏と伊藤大樹氏はDigitalContentsチームに所属し、教育分野のデジタル教材や製造業向けのマニュアル制作など、多種多様なデジタルコンテンツ制作に従事している。
 ご両人とも愛知県の出身で、伊藤真由美氏は愛西市、伊藤大樹氏は、江南市の出身である(以後、姓省略)。真由美氏は高校卒業後、名古屋市内の3年制デザイン専門学校に入学し、グラフィックデザインコースでDTPやデジタルメディア制作を学んだ。卒業後同社に入社し、今年で4年目を迎える。一方、大樹氏は大学卒業後、別会社に就職した後、26歳の時に入社し、現在3年目とのことだ。
 共通しているのはデジタル教材制作に携わっている点だが、真由美氏の専門は2次元で、大樹氏は3D制作やプログラマーという違いがある。ただし、同じ案件を制作する際は連携を取って進行することもある。
 現在の仕事について伺ったところ、真由美氏は、「製造業の会社で使用される外国人向けデジタルマニュアルの
制作に携わっています。初めて作業する人や、日本語が分からない外国人に、より視覚的に理解しやすいマニュアルを意識して作っています」と話す。また、「お客様が運用されているマニュアルのリニューアルや、新たにデジタルマニュアルを企画・制作することもあります。仕様やデザインについて、お客様からヒアリングしながら制作しています」と、デジタル化への転用や新規案件も担うという。
 大樹氏は「プログラミングや3Dモデルの制作を受け持っています。現在制作しているのは、PCやタブレットなどで表示して使用するデジタルコンテンツです。特定のプログラミング言語や専用ツールを組み合わせて制作しますが、内部の動作が重要になるコンテンツなので、お客様の要望をしっかりとお聞きして制作しています。特に3Dコンテンツを求められるお客様とは、詳細な話し合いをして制作するよう心掛けています」とのことで、近年3Dコンテンツ制作が増えていることが窺える。
 山田社長は、経営理念について「『より良い学びを支える仕事をする』を掲げて、子どもたちの学校・教育教材を作ってきました。近年はデジタルコンテンツの教材にも注力しています。UI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)に立ったデザインや機能、操作性を重視しつつ、使いやすさや満足度を高めるためにはどうすれば良いのかを考えながら進めています。二人には、それぞれ『伝える』ということにフォーカスして取り組んでもらっています」と、二人へ期待を寄せる。

新技術を習得し市場開拓を図る

 デジタル教材の事例では、文化学園大学の『デジタル教科書』や出版社の案件となる『e漢字ナビ』などがある。どちらも学校で使用されるデジタル教材で、『デジタル教科書』では、縫製工程を確認できるチェック機能を備え、スカートやジーンズを3DCGで表現して360度あらゆる方向から見られる機能も実装している。『e漢字ナビ』は、書き順をアニメーションで確認でき、子どもがなぞって書ける機能を備えた、スマートフォンやタブレットに対応した漢字学習ツールである。
 学習用デジタル教材は非常に多岐にわたっており、枚挙に暇がないが、自分で操作したり、視覚的に体感できたりできるアクティブコンテンツの案件が増えつつあるようだ。そのため、AR・VRや3DCGを取り入れた動画制作は今後ますます注力していく必要があるという。
 「私たちは学校系の学習コンテンツ制作が中心で、これは今後も変わりません。しかし、少子化の影響で子どもたちに教える教材の需要は減少しつつありますから、今後は医療界や製造業などの他業界のデジタルコンテンツ制作にも取り組んでいきます。例えば、プロの技術を持った方でもそれを後輩に伝えるのが苦手な方がいますから、そんな方に向けた教育マニュアルや、営業マン向けの営業資料コンテンツなどを手掛けていきます」と、山田社長は新分野開拓への意向を示す。
 さらに、「デジタル教材はあくまでも『手段』ですから、本質は情報を『伝える』ということに集約されます。そこに注力したコンテンツづくりを行っていきます」と、同社の信条を強調した。
 真由美氏は「利用者の方が操作に迷わずに使えるデザインにするよう心がけ、『伝えたい情報がきちんと伝わる』デザインになるよう重要視しています」。また、大樹氏は「お客様によって、未知の分野のコンテンツの依頼を受けることがありますから、自分の得意な分野に関わらず、さまざまな技術や知識を吸収してコンテンツづくりに活かしたいと思っています」と、技術習得には余念がない。
 「多方面の制作に取り組めるよう知識や視野を広げていきたい。技術面では、AIを活用してデザインの幅を広げられるようにしたいです」という真由美氏。大樹氏は「さらに3DCGやAR・VRなど新しい技術を仕事に取り込み、レベルアップを図っていきたいです」。最後に山田社長は「多言語を取り入れるノウハウを持っていますから、今後は海外市場にも挑戦していく考えです」と、それぞれ抱負を述べた。


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