ミスを無くし安心・安全なデータ作りが信条!
1984年の創業より製版業を営んできたビケングラフィック株式会社。紙製什器製版、画像補正、デザイン、スキャニングが主な業務であるが、紙以外の素材へのプリント、刺繍機を使ったノベルティ製作にも事業展開している。そんな同社で、主に什器製版を担当している制作部の小田三郎部長に、仕事内容についてお話を伺った。

紙製什器データを作成し顧客に最終データを渡す
小田氏が、ビケングラフィック㈱に入社したのは2021年のことで、当時同社がDTP制作の社員を募集していたのを見て応募したのが始まりだった。入社後は主に什器製版を担当し今日に至っているが、今年、制作部部長に就任し、一層の活躍が期待されている。
小田氏は、東京都品川区の出身で、都内のデザイン専門学校を卒業後、水道橋にある翻訳会社に入社し多言語制作のDTPに従事。同社には約20年勤めたという。そこで培ったDTP制作の技能が、現在の什器製版にも活かされている。「広告代理店や印刷会社がお客様になります。送られてくる什器の展開図に基づいて制作を進めていくわけですが、お客様が指定された色や渡された色見本に従ってデザインし、色補正したり、不要部分のデータを取り除いたり、合成処理を施したりします。また、色校正も行います」と、印刷用データを完成させるのが仕事である。
部長としての役割は、「経営理念である安心・安全をベースにした制作を目指すこと、そして社員のいろいろな個性を仕事に活かしていくことです」と話す。
また、仕事面で最も注意していることは、質の高い製品づくりを心掛けることで、そのために印刷に適したデータ制作においてデータチェックを確実に行い、ミスを無くすことを徹底している。
「お客様にデータを渡すときは印刷用の最終データになりますから、ミスがあってはいけません。作業工程ではデータに不備がないかをチェックし、ミスを無くすことが最も重要になります」と、ミスを無くすことを第一に心掛けている。
同社では、什器製版はオリジナルの紙製什器やパッケージが主体であるが、販促POPなどの設計・製作も行っている。什器は通常の印刷物以上に構造や加工の条件が複雑になるため、完全データでの入稿の難易度が高くなるのが什器の特性と言えるだろう。



「製版マニュアル」を作成し業務効率を高める
「過去にミスが発生し損害を出したことがあったため、その都度チェック工程を見直し改善を図ってきました。現在、最終的な検版ではデジタル検版ソフト『Hallmarker』を使用したチェック体制を構築し、印刷ミスを防止しています。デジタル検版は違いを客観的に検知し、正確なチェックが可能です。人の目では見落としがちな細かいミスを発見できるので重宝しています。さらに、チェックシートによる見える化を行い、チェックが終われば印を付けて次の工程に渡すという仕組みにしています」と、データチェックには細心の注意を払っているという。
小田氏が部長に就いてから取り組み始めたことの1つに、データベース内に『ヒヤリハット事例集』を設け、そこに発生したミスの内容を制作部の社員が投稿するという仕組みがある。「今後に役立たせるために、その都度会議を開き改善しています。さらに半年に一度、ヒヤリハットの傾向をまとめて業務改善に役立てています」とのことで、ミス防止の体制を構築している。
特筆すべきは、昨年、小田氏自身が入稿から納品までの製作工程・作業方法が順序だてて分かる『製版マニュアル』を発案し作成したことである。今ではそのマニュアルを基に制作が進められているという。
「昨年入社した若い社員がそのマニュアルに沿って仕事を行ったところ、数か月で即戦力となりました。手取り足取り仕事を教える必要がなくなったことは大きなメリットです。マニュアルに書かれていない作業が発生すれば、その時は先輩が教えるという方法を採っています。また、製作方法が変わって手直しする必要が出てきた時は、皆で確認し共有化しています。製版マニュアルを作ったことで作業方法を統一することができました」と、独自の製版マニュアル策定で業務を効率化させ、生産性を向上させている。
さらに、小田氏は画像補正に特化した『画像補正マニュアル』の制作にも取り掛かり、このほど完成したとのこと。このように作業効率の向上や業務改善に余念がない。また、AIにも関心を持っており、いかにAI技術を取り入れて制作効率を高め、より良い製品づくりに繋げられるかを今後の課題にしている。
また、同社では新規事業として、刺繍機を使って布地に文字やロゴ、イラストを刺繍し、オリジナルの刺繍ワッペンを製作している。写真からの作成、手書きイラストなどさまざまなニーズに対応している。
「若い世代の考えや意見を吸い上げて、人財を活かしていける職場環境を作っていく一翼を担っていければと思っています」と、小田氏は締めくくった。


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