顧客の信頼を得て最初に相談される会社になる!

今回は、11月17日に東京都港区にある富士フイルム本社ビルで開催された、富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社主催の経営セミナーを紹介する。講師は、タカラサプライコミュニケーションズ株式会社の取締役 デジタル・印刷本部長の杉本豊明氏。「お客様の最初に相談される会社になるために」をテーマに、我々が目指すのは顧客との信頼関係を構築し、ベストパートナーになることだと強調した。そのために日々取り組んでいる顧客の課題解決のための営業手法について具体的な話をした。同社のこのような価値共創を図る営業スタイルは、多くの印刷会社にとって参考になるだろう。

レクチャーズ・ルーム 72
タカラサプライコミュニケーションズ㈱
取締役 デジタル・印刷本部長
杉本 豊明 氏(講師)
タカラサプライコミュニケーションズ株式会社(本社 :京都市伏見区舞台町1番地)は、容器、紙ラベル、紙パックなどのサプライ事業と、印刷、Web制作、動画制作などのコミュニケーション事業の両輪で経営展開している。経営理念には、顧客への共感から共創を通じて商品・サービスの新たな価値を生み出し、顧客視点で価値を提供することを掲げている。
そんな同社が将来に危機感を持ち、変革の必要性を感じ取り組んだのが、「ベストパートナー活動」「顧客の見直し」「顧客別利益率のマッピング」の3つの事業である。以前は提案型営業を推進していたという杉本氏。「しかし、お客様に無理強いする営業になっていることに気づいたのです。私たちが目指すものは、お客様の課題に対して解決策を提案していく営業であると考え、課題解決型を掲げました」と述べる。
営業部門が同じ意思の下で営業ができるように掲げたのが「ベストパートナー活動」であった。これは6つのプロセスから成り立っており、流れとしては顧客への「情報提供」から始まり、次に「情報収集」を行い顧客の「課題発見」へとつなげる、この課題の解決策を顧客に「自主提案」し、受注後の制作では、制作物の仕上がりを確認する「品質ヒアリング」、納品後は「効果ヒアリング」を行い、実際にどのような効果があったのかを顧客に確認した。この一連のプロセスを重要視して営業活動に取り組んでいるという。
「受注をゴールにするのではなく、ゴールはお客様にとって最初に相談される1人(会社)になることにしたのです。そして、お客様とより良い信頼関係を築いていくことを弊社のゴールにしました」。
しかし、営業が顧客に何か課題はありませんかと尋ねても、簡単に課題を話してもらえるわけではない。そこで杉本氏は、「課題の仮説を立てられるようにヒアリングに注力することにしました。顧客から課題を聞き出すためには、情報提供が重要だと考えています。弊社から情報提供し、それに対してお客様から返答をいただくことで、課題を見つけていく手法を採っています」と、ベストパートナー活動の中核について語る。
また「効果ヒアリング」についても重要視している。「お客様は印刷物を作ることが目的ではありません。自社の商品を売ることや、集客、会員を増やすことなどが目的であって、それを実現する手段としてパンフレットやWebサイトを作るのです。そこで納品した数ヵ月後に、効果があったかどうかを尋ね、もし効果がなかったというのであれば改善して、新たに取り組むようにしています」とのことだ。
さらに、ベストパートナー活動で得られた顧客の情報は、営業部門全員で共有しているという。具体的には「SanSanの名刺管理システムを導入し、システム内の機能を活用して、顧客と会って話した内容を入力しています。それを活動報告として社内全体で情報共有しています」と話す。
「顧客の見直し」では、「代理店や出版社、印刷会社などは、ベストパートナー活動を展開するに当たってヒアリングがしづらいため、それらの仕事を意図的に減らして、そこにかかっていた労力や時間をメーカー、流通、学校などの顧客に割いていきました」という。
3番目の「顧客別利益率マッピング」では、顧客ごとに粗利率・限界利益率の向上を図る対策を立てるとともに、担当顧客に対する営業活動の優先順位を明確にして収益性を向上させているという。
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