生成AIを使ってプリプレス部門で価値共創を!

 今回は、10月23日に開催されたGC中部主催、GCJ共催のGCJ人材育成セミナーを紹介する。講師に株式会社光文堂 販売推進部次長の大橋慶三氏を迎え、「プリプレス部門を価値共創で未来に!」をテーマにオンラインで開催された。大橋氏は、昨年7月に開催し好評だったAIセミナーに続いて2回目の登壇となる。今回は、変化の激しい今日、プリプレス業を主体にしているGCJが、今後何を基準に、どのような方向に舵を切るべきかについて話をした。大橋氏は、実はプリプレス部門が今ビジネスチャンスを迎えているとし、そのためには生成AIを活用して固定観念から脱却し、マインドセットする必要があると説いた。

レクチャーズ・ルーム 71

株式会社光文堂 販売推進部次長
大橋 慶三 氏(講師)

 冒頭、大橋氏は「虎穴に入らずんば虎子を得ず。でも、虎穴に入っても虎子が入るとは限らない」と述べ、新たなビジネスに注力しても成功する保証はないと指摘した。「頑張れば何とかなる時代は終わりました。頑張ってもどうにもならないこともあります。努力の方向を考えなければなりません。売上が減少した事業はすぐに止めることをお薦めします。パイが小さくなっている市場でいくら頑張っても解決しません」と、早期に事業の方向を変える必要性を訴えた。
 また、「良い製品を作って売るという“プロダクトアウト”ではなく、市場や顧客のニーズに基づいて製品を開発する“マーケットイン”のビジネスで、ブルーオーシャンの市場を目指すべきです。これを経営者に話すと、『分かってはいるが、簡単ではないのでできない』と言われます。しかし、皆さんの創業時は市場がブルーオーシャンだったはずです。皆さんは一度ブルーオーシャンに進出した経験を持っているわけですから、やり直せるはずです。ただし、時代が変わったのに相変わらずプロダクトアウトを続けていることが問題なのです」と、努力の方向性を見直すよう説いた。
 さらに「紙の出版は2000年以降落ちてきていますが、その分電子出版が伸びています。ここがブルーオーシャンになると思います」と、デジタルコンテンツへの参入を促した。
 続いて生成AIの影響について、「生成AIによって頭脳労働が失われていきますが、『バターを使って目玉焼きを作る』というプロンプトを入れると、ロボットが自律的にフライパンを使って目玉焼きを作るという新聞記事を読みました。ロボットに会話機能を持たせれば、人の代わりになると思います」と述べ、ブルーカラーの作業も生成AIを組み込んだロボットに変わっていく可能性を示した。
 また、最近新たにリリースされた動画生成AI『sora2』にも触れ、その高機能を活用して制作した動画を紹介。プロンプトによって簡単に画像や動画を作成できる点を強調した。
 次に、GCJホームページに掲載されている活動内容の文章に触れ、「『情報伝達を目的とした文字・画像・図形』という表現に、『生成AIによる映像や音楽』を加え、トータルなサービスを行うという文章に変えたほうが良いと考えています。情報発信業の中心にいるという気概が必要ではないでしょうか。そして、情報伝達業のハブになるべきだと思います」と、GCJの業態の方向性について見解を述べた。
 ネット印刷の弱い部分は、デザインを自社でできない点だとし、また、「超大手印刷会社では一概には言えませんが、優秀なデザイナーの給与を他の社員より大幅に引き上げることが難しく、そのため社内に残りにくい傾向があります。中小印刷会社が破格の給与を提示すれば、優秀なデザイナーを雇用して差別化を図ることは可能ではないでしょうか」と、優秀なデザイナーの採用や、彼らとのコラボレーションによる価値創出を提言した。
 「これからは5年後に伸びる分野に、人・モノ・金を投入するしかありません。片手間で儲かるビジネスは無いと思ったほうがいいです」と述べる。
 最後に大橋氏は、「生成AI を使ったものが勝ちます。パートナーと共に価値を共創し、生成AIを活用して新たなビジネスを企画してクライアントに提案することです。生成AIに巡り合えて良い時代に生きていると思っています。クライアントも生成AIを使うわけですから、私たちが先に使ってビジネスにしていくことが肝要です」と、生成AIを使いこなすことが不可欠だと締めくくった。

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