顧客の要望に応えて付加価値の高い商品を創る

画像処理、色校正、クリエイティブ、出力において、高い品質で顧客のニーズに的確に応えている株式会社プロセスセンター。昨年11月、代表取締役社長に就任し
事業を継承した水谷健太郎社長は、社員とコミュニケーションを深めつつ一層結束を固める方針を掲げて経営に臨んでいる。現在の事業について話を伺った。


株式会社プロセスセンター

〒460-0008
本社 : 愛知県名古屋市中区栄1丁目21番17号
http://www.processcenter.co.jp/  

代表取締役社長
水谷 健太郎(GC中部)

「Jet Press 750S」で小ロットカラーを開拓

 水谷社長は、新卒で入社して37年間、株式会社プロセスセンター一筋に勤めてきたパーソンである。入社当初は生産部門に就いて製版業務を経験し、28歳頃から営業部門に移って約30年営業畑を歩いてきた。ここ数年は古川昇社長の右腕として会社を支えてきたが、昨年10月に古川社長の逝去を受けて跡を継ぎ、代表取締役社長に就任。今期から心機一転して取り組んでいる。
 「経営理念はこれまでのものを踏襲し、高い技術力でお客様のニーズに応えるとともに、提案力を高めて魅力ある地域を創出し、社員とのコミュニケーションを深めて活力を維持していくことを掲げています」とのことだ。
 同社は、1985年に製版会社としてスタートした。87年に岐阜市に岐阜事業部(2005年に本社に統合)、94年に東京都中央区に東京営業所を設置し、事業を拡大していった。2002年には東京営業所を東京事業部として生産拠点にし、名古屋本社と2拠点体制で生産を開始した。現在は、名古屋市内に企画デザイン部のP&C事業部、京都市に京都事業部を設置し、全国展開している。
 印刷事業は、印刷物の企画、編集を伴うDTP制作、出力処理、画像処理、色校正、クリエイティブと、プリプレス工程全般に渡っているが、強みはレイアウトスキャナ時代から培ったデータ処理・編集技術と画像加工技術である。顧客はさまざまで、同業者の外注先だけでなく一般企業の各種印刷物の制作も請け負っている。
 水谷社長は「営業に就いた頃にデジタル化が始まったのですが、その頃にMacを導入してDTPに移行しデジタル製版に注力してきました。私たちはお客様のイメージ通りの画像を提供することをモットーにしており、そのために最適な印刷用データに仕上げるよう日々取り組んでいます」と、画像加工でのクオリティの高さを信条にしている。
 色校正に関しても万全の体制を構築している。平台校正による本紙校正は依然として重要な役割を担っており、欠かせない工程である。一方、デジタル製版の延長線上で簡易校正にも対応している。2019年には、校正だけでなく小ロットのカラー印刷にも対応できる富士フイルムの枚葉型インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」を導入した。

顧客への貢献に全社一丸で取り組む

 「実際に刷り具合を見て、その高い品質とパフォーマンスに着目し導入しました。スキルレスで短時間稼働という操作性が良いのも魅力です。単に色校正機としてだけでなく、小ロットカラー印刷に対応できる機械です。東京のお客様からの校正刷りのご依頼が多かったため、東京事業部に設置しました。もちろん校正刷りだけでなく、カタログ、ポスター、DMなどのカラー物の印刷も可能ですから、今後はもっとカラー印刷の生産機として活用を図っていく方針です」と、「Jet Press 750S」によるワンストップサービスにも注力していくとのことだ。
 取締役東京事業部長の滝川忠廣氏は、営業について「毎日、お客様のところに赴いているのですが、突然『このような仕事はできないか』と尋ねられることがあります。そのため、お客様の要望に対して臨機応変に対応できるかどうかが重要になっています。躊躇していると他社に仕事を奪われますから、常にアンテナを張っておく必要がありますし、相談される会社であることが問われてくると思います」と、営業では柔軟な対応とタイミングを逃さないことの重要性を説く。
 さらに、生産部部長の河村聡氏は「お客様は品質と納期を望まれていますので、弊社としてもその2点に注力し、全社一丸となって仕事に取り組んでいます。部署は数カ所に分かれてはいますが、全体を統括してスムーズに仕事が流れていくようにし、納期厳守で対応しています。また、社員間ではコミュニケーションを深めて、仕事が円滑に進むように努めています」と、生産部の方針を話す。
 水谷社長は「アナログ時代にISO9001を取得しましたから、全社的に品質管理は徹底していますし、PDCAサイクルも回しています。また、我々が行っている製版・印刷業務がお客様の要望に応えられるのであれば、積極的に受注していくことが大切だと考えています。営業部門も生産部門もその意識を持って仕事に臨むことで、お客様のビジネスに貢献できると考えています」と、顧客との関係性をより深めていくことの重要性を強調した。
 また「GCJでも謳われている『価値共創』は、重要なテーマだと弊社でも考えています。お客様とwinwinの関係を築いて、共に付加価値の高い商品を創り上げていけるよう取り組んでいきます」と、「価値共創」に着目し、今後の事業に意欲を燃やしている。


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