発注に関する質問

看板などの屋号・商号・商標の表記で気をつけるべきこと
目立つキャッチに使われる文句やロゴが、有名なものと似ていることがありますが、その際にはそれがすでに何がしかの登録がされたものかどうか、確認しておくのがよいでしょう。商標登録してあっても商号としてどこかで使われていることはあり得ます。
また登録をしていないものなら、適切な処理をしておかないと、あとでトラブルになる可能性もあります。

屋号


通常は個人事業主が店舗名とか事務所名として開業時につけ、税務署に「開業届」を出して登録されるもので、確定申告書の提出の際にも屋号を登録できます。
法人登記ではないので法的拘束力がなく、同じような名前を他人に使われて、さらに名前のせいで何かトラブルが生じてしまったとしても、権利を主張できません。
屋号には、「株式会社」、「有限会社」、「NPO法人」といったキーワードを入れられません。また、すでに商標登録されている名称もつけることができません。すでに存在するかどうかは特許庁のサイトで検索できます。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/ 

屋号を持っていると、銀行口座の名義を「屋号+名義人」など屋号付き口座の開設が可能になります。

商号


法務局へ登録するもので、法人登記を行っている会社の名前です。法的拘束力があり、同一の商号を同じ所在地にある会社が使うことはできません。「株式会社」「有限会社」などを商号の先頭か末尾に入れて使います。
個人事業主には「商号登記」という登記制度があり、法人化しなくても代表者名や所在地を広く公開することができ、個人事業主として起業して、のちに法人化をする場合は、そのまま使うことも可能です。
商号は、同一住所でない限り、同一の名前を自由に付けることができるため、商号が同じ会社は全国にたくさん存在します。

商標


特許庁に先願主義で登録されるもので、自社の取り扱う商品やサービスを他者(他社)のものと区別するために使用するマーク(標識)のことです。
全国でただ1つしか存在しないものになり、他者がその「商標」を使用することを差止め、損害賠償を請求することができます。

特許庁のサイト https://www.j-platpat.inpit.go.jp/   をみると、商標・商号がどのように使われているかがわかります。

ネット利用において不正アクセスに気を付けるべきこと
日本ではコンピュータ・ウイルスと総称されますが、ITの専門雑誌では悪意を持ったソフトウェアはマルウェアと総称します。つまりマルウェアの中に、ウイルス、ワーム、トロイの木馬、スパイウェア、ランサムウェアなどがあります。一般のウイルス対策ソフトで対応できるのはウイルス、ワーム、トロイの木馬、などで、ランサムウェアはシステム担当が組織的な対応をすべきものです。

ウイルス(Virus)
通常使用されている他のプログラムファイルに自分自身を勝手にコピーする事により感染を広げるもので、発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等が設定されていて、それまで潜伏して、コンピュータ内のデータ破壊や異常動作をさせるもので、発見が遅れれば他のコンピュータにウイルスを拡散してしまいます。

ワーム(Worm)
ワームがウイルスと違うのは、単独のプログラムとして活動することで、高い感染力と感染速度が特徴です。瞬く間に拡散していくと、ネットワーク内が高負荷で動作できなくなるなどで、被害に気付きやすく、被害を受ける期間も短いものです。ワームもメールデータを使って一斉送信したり、パスワードを盗んで勝手にログインしたり、SNSに勝手に投稿を行うなどの被害を与えます。他のコンピュータへの侵入など2次被害、3次被害に繋がります。

トロイの木馬(Trojan horse)
自己増殖はしませんが、フリーの便利なアプリやスクリーンセーバー、画像や文書ファイル、USB機器など、害のないように見えて、何かの情報を盗み取るとか、別のマルウェア侵入させたり、攻撃の踏み台になるものです。トロイの木馬はネット接続のために裏口を作り、外部からコンピュータに不正にアクセスし、情報の盗聴や他のデバイスへの不正を試みます。有益なアプリと思って使うと、ネットバンキングにアクセスしたIDやパスワード、口座情報を盗みとられるということがあります。

スパイウェア(Spyware)
ユーザが正常なソフトウェアだと思って自らインストールとか、何かをインストールした際に一緒に入ってしまって、個人情報やID・パスワード等の情報収集をして外部へ送信するのが目的で使われます。本来のプログラムは正常に動作しているので見つけるのが困難な場合があります。スパイウェアの名のとおり、CIAなどの諜報機関も情報収集に使うものです。

ランサムウェア(Ransomware)
ランサムとは身代金を意味し、コンピュータ内のファイルを勝手に暗号化したり消去して、そのファイルを元に戻すには金を払えと要求するものです。あるいは機密情報を闇市場に流すような被害が出ています。
ランサムウェアは、企業などのネットワーク機器の脆弱性に付け込んで侵入し、その中にあるコンピュータを攻撃するもので、広く社会にばら撒かれて流行するものではなく、特定の組織が狙われる場合が多いです。つまり一般のウイルス対策の情報やワクチンソフトとは異なる、ネットの脆弱性からバックアップまでの総合的な対策が必要になるものです。
金銭を要求するランサムウェアは刑事犯罪ですので、警視庁への届け出をすることになります。警視庁はサイバー犯罪として取り扱っています。警視庁サイバー犯罪対策プロジェクト

他の見ておくべきサイト

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

東京都産業労働局(セキュリティの部屋)

総務省(国民のためのサイバーセキュリティサイト)

経済産業省(中小企業のサイバーセキュリティ対策)

IPA(情報処理推進機構)
印刷会社へのPDF入稿を確実にするには?

完成した紙面を社外の印刷にまわす際に、文字化けや画像のリンク切れなどの事故が起こらないように、PDFで入稿することが増えています。PDFでは表現されるものの位置や大きさなどが保障されるはずですが、送受双方でのPDFの取り扱い方が確認されている必要があります。これは双方にアプリやPDFに関する相当の知識が必要とされる専門度合いの高い仕事です。
PDF(Portable Document Format)はアドビシステムズ社(アドビ)が開発し、1993年にバージョン1.0がリリースされました。後に国際標準規格(ISO32000)となり、OSや環境に関わらず汎用性の高い紙面データのやりとりのためのファイル形式として、事務用も含めて多くのアプリに採用されて、いろいろな種類があります。

その中で印刷物製作目的ではPDF/Xがありますが、その中にも以下のような違いがあります。

PDF/X-1a:日本の印刷業界で主流で、以前のEPSファイルでの入稿を引き継いだCMYKモデル。
PDF/X-3:RGBカラーに対応する以外はPDF/X-1aと同じで、事前にCMYK分解が不要。
PDF/X-4:さらに出力装置に依存しない特徴をもち、透明効果も有効。

これらは出力処理側(RIP)の機能向上にも関係していて、新しいRIPで処理できることが増えるに従って、データを作る側で事前に処理しておくべきことが減るという関係にあります。

つまり以前は出力側の能力や癖(どんなバグが起こるか、など)を想定してデータの作りこみをしなければならないことがいろいろありましたが、出力装置は設置した会社によってさまざまなものがあり、どの装置でどのような結果が出るかを見極めるのが大変でした。つまり過去に出力経験のあるところにしか依頼できない傾向がありました。

しかし現在では印刷は多様化し、従来のオフセット印刷だけでなくデジタル印刷(POD)の利用も増えています。そのために事前にデータの作りこみをしないでも再現性の良いPDFと、その処理エンジンが作られるようになってきました。これらを使えば個別の専門知識に頼らなくてもPDF入稿を確実にできるようになりつつあります。

アドビ製品のように制作アプリがクラウド型になることによって、送受双方でのアプリのバージョンの違いによる表現のズレのようなトラブルが防げるようになり、今までの多くのPDFトラブルが回避できると考えられます。2022年に発表されたAdobe PDF Print Engine 6 はアドビのアプリ側の機能拡張に対応した出力エンジンで、どこにデータをもっていっても今までのようなデータ送受の際の負担がなくなります。こういった環境が普及するまでは、プリフライトチェックでデータの完成度を高めながら作業する必要があるでしょう。

 


 



 
商標登録が取り消されるのを防ぐには?
商標はトレードマーク、サービスマークなどと呼ばれ、商品やサービスにつけるネーミングやロゴを特許庁に登録することで、独占的に使用することができます。特許庁に商標登録出願をすると、審査がおこなわれ、特許庁に登録料を納付することで商標登録がされます。商標登録がされると、商標登録出願をした出願人に商標権が付与され、第三者が商標権を侵害した場合は、商標権者は、その第三者に対して『損害賠償請求』や『差止請求』をすることができます。

登録した商標であってもあまりにも普及してしまうと、セメダイン、エレベーター、セロテープ、エレクトーン、シャチハタ、ポリバケツ、宅急便、シーチキン、サランラップ、QRコードなどのように普通名称として一般の人が使ってしまう場合も多くあります。これを「商標の希釈化」と呼びます。普通名称化すると、他の業者等にその商標を使用されても権利を行使することができない場合があります(「正露丸」「うどんすき」など)。近年では検索のことを「ググル」とよぶのも普通名称に近づいています。

「普通名称化」を防ぐには登録商標であることを明示して、当該商標の識別力を保つ必要があります。それで登録商標であることを示す「(R)」や「●●は××株式会社の登録商標です」といった注意書きを付与します。まだ商標が未登録である場合や、国際展開しているプロダクト/サービスで、一部の国では商標未登録という場合は、上記の表記の代わりに「TM」(Trade Mark)や「SM」(Service Mark)を用います。

そのうえで一般名称的に使用されていないか定期的にウォッチする必要があります。それは商標法上とくに普通名称化を防止するための制度は設けられていないからですが,International Trademark Association(INTA)が「商標の適切な使用についてのガイド(Guide to proper trademark use)」が参考にされています。



ではどのようにチェックするかについては、INTAでは「決して商標を名詞として使わず、常に形容詞として用いること」を推奨しています。
 (誤)クリネックスください
 (正)クリネックスのティッシュください
また同じ理由でINTAは「商標を動詞として用いてはならない」としています。
 (誤)このコピーをXEROXして
 (正)XEROXブランドのコピー機を使う

印刷物やWebサイトで自社商標の無断使用や上記の不適切な使用を発見した場合は、使用している事業者に直接連絡するとか、ECサイトの運営者に通報し、運営者を通じて事業者に対応を求めることもできます。
他人に特許を取られて独占されるのを防ぐには
業務上で工夫を凝らしていると、発明かもしれない技法が生まれることがあります。しかし必ずしも特許出願して独占するほどの必要はない場合が多いでしょう。独占する気がなければ放置していますが、知らぬ間に他人に特許を取られて独占されては困ります。特許は先願主義なので、他人に権利を取られることを防止するために特許出願をしておく「防衛出願」をする場合があります。防衛出願の場合、権利化は必要ないので出願審査請求はしません。

発明が認められる条件(特許要件)には「新規性」があり、「公然と知られていない新しい発明」でなければならないので、「公知(公然と知られた状態)」の技法は誰かが出願しても「新規性」が無いので特許にされません。そこで防衛出願以外に「その発明を世間に公表してしまう」 という方法で他人の独占を防ぐことができます。

大企業の研究所では「○○○○技報」という技術誌を定期的に発行し、社外の一般にも広く配布,販売したり、発行する度に図書館や特許庁にも送り、発明を公表しています。掲載されている内容が特許審査に役立つと判断されれば特許庁でも保管され、審査などに利用されるようです。

自分で「○○技報」などを発行していない場合は、公益社団法人発明協会から発行されている公開技報という刊行物に発明内容を公表すると、明らかに公知になり、他社による権利化を阻止できます。公開技報は特許庁でも審査の際の資料としても利用されています。ただし「公開技報」への掲載されると、以降は自社でも発明を独占できなくなります。公開技法に掲載させる手間は特許出願に比べれば少ないので、だれでも発明を簡単で確実に一般に公表する手段といえます。

公開技報WEBサービス内容と料金体系


また本サイトの『プロのものづくり集』のようなインターネット情報やカタログ等の情報(HTML 形式以外にも、動画、PDF 文書など多彩な様式)でも 、発明推進協会が情報を公開することにより、効果的な後願排除を支援するサービスがあります。



問合せ先 : 一般社団法人 発明推進協会 市場開発チーム

〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-1-1虎の門三丁目ビルディング
E-mail: 
改正個人情報保護法でCookieの取扱いはどうなる?
2022年4月施行の改正個人情報保護法は、個人データの不適正な利用に厳しくなるとともに、マーケティングへの活用の道も開かれるというバランスをとったものです。まず厳しくなる点では、①罰則 ②義務の拡大 ③請求権の拡大 などがあります。

罰金は「6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金」から「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に、報告義務違反に対しては「30万円以下の罰金」から「50万円以下の罰金」に強化されます。法人に対する罰金刑は措置命令違反と不正流用については「1億円以下」に引き上げられます。また諸規定は外国の事業者にも適用されます。

個人情報取扱事業者の義務は、個人データの不適正な利用の禁止義務が明文化され、漏えい等が発生した場合の報告義務及び本人に対する通知義務が新設されます。一方で民間団体の「認定個人情報保護団体」がある程度ルールを決められて事業者の自主的な個人情報保護への取り組みを推進しています。

個人データの利用停止や消去を請求できるのは、旧法では目的外利用された時と不正の手段で取得された時に限られ、また第三者提供の停止を請求できるのは、本人の同意なく第三者提供がなされたときに限られていましたが、改正法では上記に加え、不適正な利用がなされたときも利用停止等が請求できます。また、個人データの取扱いにより本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがあるときにも、利用停止等又は第三者提供の停止の請求ができるようになります。

一方でデータ利活用の促進として、個人を特定できないように個人情報を加工した「個人関連情報」は、旧法では加工前の情報と同等に厳格な規制の対象となっていましたが、改正法では氏名等を削除して、他の情報と照合しない限り個人を特定できないように個人情報を加工した場合は(仮名加工情報)、仮名加工情報取扱事業者の内部分析目的の利用に限定する等を条件に、開示・利用停止請求への対応等の義務を緩和しました。

これはCookieなどのような識別子情報とそれに紐づく閲覧履歴や購入履歴などの個人情報ではない情報のことで、改正法では個人関連情報を第三者提供する場合、提供元が提供先に対して本人の同意を得ていること等を確認する義務を新設しています。例えばホームページを開くと、『弊社のウェブサイトでは、サービスの向上、またユーザーにより適したサービスを提供するため、クッキーを使用しています。また、ユーザーに合ったコンテンツや広告を表示させることを目的としてクッキーを使用する場合があります。』として同意を求めるケースなどです。



そもそもCookie自体には個人情報を抜き出したり、特定したりするような機能や仕組みは無く、Webサイトへのアクセス履歴やログインIDなど、Webサイトの閲覧にかかわるデータのみとなっていますが、Cookieとその他の情報を照合することによって個人を識別することは可能です。Cookieに関するトラブルを防ぐために使用同意を求めるポップアップがありますが、その内容はEUで2018年5月にできた法律GDPRの項目が参考にされています。

現時点ではポップアップを表示することは義務付けられてはいませんが、今後施行される法改正を考慮して、マーケティングに関連したWebサイトではCookie使用の同意を得る仕組みの準備を行っておくとよいでしょう。一方で2020年10月に公開されたGoogle Analytics 4はプライバシー保護に重点を置いて開発され、Cookieを使用することなくアクセス解析が行えますので、マーケティングに関係の薄いWebサイトでは、ユーザーにCookieの使用を拒否されてもサイト運営に直接影響はないともいえます。

参考:個人情報保護委員会ウェブサイト https://www.ppc.go.jp/
多くの商品情報を詰め込んだチラシを作りたい
新聞折り込みやポスティング、あるいはネットでもチラシスタイルの販促が行われていますが、単純に商品情報を並べただけでは大変見難いものとなり、訴求効果は得られません。内容面で顧客を引き付ける企画をするとともに、レイアウト面でも顧客の視線移動に沿った常識的な配置をする必要があります。また短時間に正確に制作できる体制を作らないと、チラシ配布後に思わぬトラブルに巻き込まれかねません。

まず紙面に対する見る人の視線の移動は、横組みではZ型といわれるように、まず左上に視線が行き(1)、そこから右に移り(2)、その先に左下に移行するので、重要なものを(1)(2)(3)のあたりに置きます。縦組みの場合は、右上が(1)、そこから下に(2)、次に左上(3)にジャンプします。これらはチラシに限らず、パンフレットでも、WEBページでも同様です。



またチラシで扱う商品ごとにデザインの傾向とかテイストに定番がありますので、あまり意表をついた独自なものを作ると理解してもらいにくくなります。そのため競合店などがどのようにチラシを作っているか分析します。商品の並べ方は店舗の棚割と同様に、どの店でもアレの隣にはコレ、という自然な流れがあるのを参考にします。(ちなみに棚割りが似ているのは卸元がそのようにしているから)



印刷面積がある程度大きい場合には販促の狙いに沿って紙面のゾーン分けをすることで、着目しやすく読みやすいものになります。次の例でば企画ものや顧客に対しての提案のゾーン、よく出る定番商品のゾーン、これから着目してもらいたいオススメのゾーンなどに分かれています。紙面の左下の目立つところには、敢えて価格提示よりも商品情報を載せているところにも工夫が表れています。



一般的なスーパーのチラシでは、定番は日替わりの特売になり、それぞれの左上が目玉商品になっています。企画の部分は、給料日後の週末/季節・気候に応じてメニュー提案型にして関連する素材を取りそろえるとか、季節行事に合わせて母の日/父の日などの特集をするとか、店内イベントと連動して何々フェアとしてまだ馴染みないものを説明することが行われ、ある程度読み物的な情報提供をすることもあります。



成城石井/丸正/ベルクスなどスーパーのチラシ担当者が、新聞折り込みチラシを作る側の配慮を述べている動画『タモリ倶楽部 2016年9月30日 スーパーマーケットの折込チラシ大熟読祭』が参考になるかもしれません。

スマホで商品撮影はできるか
スマホのカメラ性能は向上したので、撮影条件さえよければきれいな写真になり、記事「スマートフォンで撮った写真がきれいに印刷できるか」ではライティングが適切にされていれば印刷用にも使えることを書きました。その後にスマホのカメラアプリも新しくなったために、さらに活用できる範囲が印刷以外にも広がっています。例えば飲食店なら本日のオススメ料理を、美容院ならお客様の姿を撮ってSNSにアップすることが行われていて、それらの蓄積の中から後日に印刷物が作成される場合があります。

従来は印刷するために製版用のソフトウェアを使ってレタッチで画像を整えていましたが、そういう外注をすると時間がかかるので、ネットショップなどスマホで商品を撮影して即WebやSNSで配信する場合が増えています。そのためにレタッチのソフトウェア(Photoshopなど)を使わずに、最初からレタッチしたような綺麗に写真を撮りたいというニーズが高まりました。

従来のスマホは被写体の焦点をあてた場所で測光して撮影するオートモードであったために、求める明るさの写真が撮れない場合がありました。iOS8以降からはフォーカスポイントを決定した後にフォーカスロックをかけ、露出補正を自由に行うことで明るさのコントロールができるようになっていますし、スマホアプリとして『Camera+』のようなものも使われています。

しかし、画面内の明暗差が大きいシーン、例えば黒い被写体と白い被写体が並んでいる場合には、白い被写体に露出を合わせると全体が暗くなり、黒い被写体に露出を合わせると全体が明るくなって、明るいところ/暗いところにある小さな文字が見えにくくなります。その場合はスマホにも搭載されている「HDR」機能をオンにして、写真の明暗部を自動調整(合成)させることができます。HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、こういう機能を活用すると撮影後のレタッチを減らすことができます。

さらにスマホの大画面化とともにデジカメよりも大きいビューワを活かして、ライティングを工夫しながら撮れば、被写体の必要なところにきっちりキャッチライトを入れたり、

商品の刻印や文字をシャープになるよう明暗を加減したり、

ハイライトの調子が大きすぎず小さすぎず、崩さないように適切に撮る、

などの試みを簡単にできるようになります。

また色の再現性を高めるために、自然光に近い高演色性LED照明(参考例)を使えば、レタッチの必要性も少なくなり、スマホを商品撮影に活用できます。

ただし画像の加工とか合成などをするには、まだスマホ・タブレットアプリには制約が多いので、専用ソフトによるレタッチが必要になります。
店頭用デジタルサイネージを作りたい(注意点)
ポスターのように破損しても構わない表示物と異なって、大型液晶ディスプレイのような精密機器を使ったデジタルサイネージは、取り扱いや環境が悪いと故障したり寿命を縮めてしまいます。そのため設置場所の下調べをして必要な要件を明らかにし、見積もりを取るようにしなければなりません。当然ながら環境が悪くなるほど高額な設備が必要になります。逆に店内のような精密機器を害する要素のないところなら、市販のテレビの設置と同様に考えてもいいでしょう。市販のテレビの場合は寿命や補償についても家電品並みの扱いになり、何か事故が起こった場合は自己責任となります。



人の集まる施設の案内などでデジタルサイネージが建物の屋外で軒下に設置されることが多いですが、その場合には家電用品が使えるとは限りません。

1.明るさ

屋外設置の場合は軒下でも太陽光の直射を受ける場合があり、その時は液晶表示は殆ど見えなくなります。また機器の内部の温度が上がって故障することが多くなります。したがって設置場所として直射日光の当たる場所は避けるべきです。どうしてもそこに設置しなければならないなら、パチンコ屋などにみられる高輝度のLEDビジョンの導入になりますが、価格は2桁ほど高くなるかもしれません。

直射日光が避けられても、家電品の場合はバックライトの照明が十分に明るくはないので、デジタルサイネージ専用の液晶を使った方が見栄えがします。

2.防水

軒下でも雨の降り込みとか結露とかで内部に水滴ができると故障の原因になりますので、防水・防塵の保護等級がIP54とかIP55のデジタルサイネージ機器を使うことになります。IPに続く「5」は防塵5等で、有害な粉塵が中に入らないことをあらわし、次の「4」とか「5」が防水等級で、「4:飛沫の影響がない」とか「5:かけ流しの影響がない」という意味になります。雨にあたるところならIP55相当の機種を選びます。この場合、液晶ディスプレイの値段よりも、防水・防塵の筐体の方が高額になってしまいます。

スマホなどにも「IP68」とか表示されていて、これは「JIS保護等級」というもので、家電品のカタログや説明書などに防水や防塵の目安として記されています。

3.温度管理

例え防水・防塵の対策が施されていても、機器内部の発熱や、直射日光による温度上昇によってCPUやLSIが気絶することがあるとか、また冬に外部がマイナス十数度になると液晶が映らなくなりますので、防水・防塵ケース用の小さなエアコンをつけて内部の温度を一定に保つようにします。そうすると月に1回はエアコンのフィルターを掃除するようなメンテナンスが必要になり、購入とは別途に保守契約をする場合もあります。ちょうど自動販売機のメンテと同じようなものです。

4.寿命

大型化や高精細化が日進月歩の液晶ディスプレイの世界では、同じ機種を10年使い続けることはなく、2-3年で機種変更をすることが多いようです。機器の寿命はだいたいその期間はもつように作られていますが、上記の悪条件とか、一日当たりの通電時間が多すぎると家電品やそれに近い安価なデジタルサイネージでは劣化することもあります。通常は店舗の営業時間にあわせてタイマーでオンオフするようにしていますが、閉店中も広告を流したい場合に24時間つけっぱなしにするなら、長寿命の機種を選ぶことになります。

また閉店中は管理の目が行き届かなくなるので、屋外に設置しておくといたずらで壊されるとか盗難にあうリスクがあり、デジタルサイネージのスタンドにキャスターをつけて店内に収納するのが普通です。
健康食品のチラシ制作を依頼されたのですが注意点は?
もっとも問題となるのが景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)という、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制する法律に適合するかどうかで、不適切あるいはグレイな表現をした場合は、消費者庁長官及び都道府県知事から改善指導をうけます。法律に景品と名がついていますが実際に景品が不適切な例は何%もなく、実際は8割が健康食品、残りが美容関係なのが実態です。

過去に消費者庁のホームページに載っていた例では、以下の「すこやか酵母」のチラシが、「対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく容易に著しい痩身効果が得られるかのように示す表示 」 が行われているとして、景品表示法違反(表示を裏付ける合理的根拠が示されず、優良誤認に該当)と判断されました。消費者庁は、当該製品を販売していた株式会社全日本通販に対し、景品表示法に基づく措置命令を行ったとのことです(2015年5月22日)。



表示規制の対象となる事業者は販売元だけではなく、他の者の表示内容に関する説明に基づきその内容を定めた場合や、他の者にその決定をゆだねた場合も含まれます。この場合に小売店のチラシに流用すると、チラシ(表示)の内容を決定したのは当該小売店ですので、小売業者に過失があるかどうかにかかわらず、小売業者は表示規制の対象になります。

ただしその広告を扱った広告代理店やメディア媒体(新聞社、出版社、放送局等)は、商品・サービスの広告の制作等に関与していても、当該商品・サービスを供給している者でない限り、表示規制の対象とはなりません。しかし内容について企画立案をした場合は責任が及ぶ可能性もあるので、不当な表示がなされないよう十分な注意をすべきです。

改善命令などの指摘がされるのは、商品・サービスの効果、性能に関する表示の「合理的な根拠を示す資料」が不足している場合で、提出資料として客観的に実証された次のようなものが求められます。
①試験・調査によって得られた結果
②専門家、専門家団体若しくは専門機関の見解又は学術文献
表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していなければならず、ただ自社で実施した試験のデータとか使用者の体験談だけでは通用しません。
つまり学術界・産業界において一般的に認められた方法又は関連分野の専門家多数が認める方法が存在するとか、消費者の体験談やモニターの意見等の実例でも、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定し、作為が生じないように考慮して調査するなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要があります。

販売する商品・サービスに利害関係を有する人の情報や、商品の購入者から送られて来る体験談についても、体験談を送って来る人はその商品を購入して効果のあった人が多いと考えられ、効果のなかった人との比較が正しくできないことなどから、客観的に実証されたものとは認められません。
書籍制作から書店への配本まで依頼されたが、可能か?
初めて出版する人が全国の書店に取り扱ってもらうのはとても困難です。日本の場合に書店は出版社と直接取引しているのではなく、『取次』という卸を仲介して書籍雑誌は流通しています。出版社と『取次』、および『取次』と書店の関係つくりは『口座を開く』という非常に密な契約があり、新刊が出た場合にどこの書店に届けるかとかどれくらいの部数を取り扱うかは取次が決めます。出版社からするとその数字を予測して印刷をします。『取次』は過去の書店の売り上げデータから、各書店にふさわしい新刊を配本する「パターン配本」という仕組みをもっていて、出版社も任意の書店に配本してもらえるわけではありません。

書籍流通において『取次』の役割が大きいのは、書籍販売では毎年何万点の新刊プラス雑誌が出版され、他業界に比べて取扱う商品の種類が極端に多く、出版社も書店も商品管理や在庫管理がやりきれないので、これらを代行する『取次』が発達しました。これにより書店は売れ残りを返本できる委託販売制度とか、パターン配本、さらに取次が出版社と書店の間に入って信用保証を行うことによる再販売価格維持、また、書籍が売れる前に出版社への委託販売代金の見込払いや、書店への代金回収の繰り延べといった、実質的な金融機能を担うために、護送船団方式的な流通支配であるともいわれるようになりました。取次の日販とトーハンの2社でシェア70%以上といわれ、この枠組みに新参者が入るのが難しいのです。



一方で特定分野の出版物を扱う専門取次や、出版取次との取引口座を持たない中小出版社の流通業務を受託し、取次とのやりとりを代行するような出版元とは別の『発売元』として、一定のマージンを取るビジネスもあり、出版元が法人ならば出版業でなくても自社の書籍を書店に配本することが可能です。これには星雲社や日販子会社の日販IPSがあり、編集プロダクションからの優良コンテンツを世に送り出しています。星雲社は小出版社のものでもほとんど扱ってもらえるそうですが、日販IPSは発売元としての企画のチェックがあり、取り扱ってもらえない場合もあります。また日販IPSは海外での出版活動のサポートも行っています。



これらはいわゆる自費出版とは異なりますので、個人の出版物であるなら、自費出版を扱う専門の会社に相談するか、電子書籍にして amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングであれば、誰でも出版をすることができますが、書店への配本は難しいでしょう。

参考: Kindle ダイレクトパブリッシングの手順

https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200635650