図版に関する質問
WEBサービスをする場合に「画像のアップロード → サムネイル生成 」などで必須になるので、多くのレンタルサーバーではImagemagickがプリインストールされています。例えば、さくらインターネットの場合は月額129円からで使えます。自分のPCにソフトをダウンロードして使う場合には費用はかかりません。
https://www.imagemagick.org/ からWindows版、mac版、linux版が得られ、Windows版は一般的には ”Win64 static at 16 bits-per-pixel component”が使われています。
例えば下写真のように、コインの表と裏を撮影したものが何百~何千とあって、表裏並べた画像に合成したい場合があります。
一括処理を最初にする場合にはどんなソフトでも失敗のリスクを考えて、作業用のフォルダを設定して、そこにデータやプログラムをコピーし、まずテストデータで手順や仕上がりの確認をしてください。
例えば、Eドライブを使うとして、そこに magick.exe と convert.exe を置き、データも置きます。
コマンドラインモードにして、表写真 01a.jpg 、裏写真 01b.jpg であるとすると、
E:¥>magick.exe convert +append 01a.jpg 01b.jpg 01ab.jpg [Enter]
を実行して、合成写真 01ab.jpg が得られることを確認します。
OKならば、これを必要数だけ繰り返し実行できるようにバッチファイルを作成します。
まず元ファイル名と合成されるファイル名のリストを作りますが、これは既存のファイル名をキャプチャして、エクセルなどで対照表にし、csv保存します。(下のように合成ファイル名はエクセル上の置換で簡単に生成できます)
【ab.csv】
01a,01b,01ab
02a,02b,02ab
03a,03b,03ab
04a,04b,04ab
:
09a,09b,09ab
10a,10b,10ab
11a,11b,11ab
これを読み込みながら連続実行させるループ文を作ります。
【ab.bat】
FOR /F "tokens=1,2,3 delims=," %%a in (ab.csv) do magick.exe convert +append %%a.jpg %%b.jpg %%c.jpg
あとは E:¥>ab.bat [Enter] で全件の処理ができます。
ImageMagickとは
画像処理用ソフトウエアライブラリで、コマンドラインツール以外にAPIでアプリケーションの内部処理に用いられています。
ファイルフォーマット変換については、https://imagemagick.org/script/formats.php を参照ください。
その他の画像変換の一例が、https://www.imagemagick.org/script/examples.php にあります。
最近WEBで多いWebPへの変換や、主要カメラメーカーのraw image (Canon, Kodak, Nikon, Olympus, Sony/Minolta, etc.)の処理もできます。
参考サイト https://imagemagick.biz/
Bingでの使い方は、MicrosoftアカウントでログインしてImage Creatorのサイトにアクセスすると以下のような画面が現れます。ここで「里山の中学校で、桜の咲く下、女子生徒が卒業式を終えて家に帰る」という画像の注文を出してみました。
注文が簡単だと時間がかかりませんが、文章が複雑になるほど時間がかかります。* この注文文章のことをプロンプトといいます。この例では「里山」が理解されませんでした。そこで「田舎」に変更すると1分もたたないうちに別の画像が現れます。こういうことを繰り返して希望するものにするのですが、なかなか人の想いが伝わらない面もあります。
*これはcorei7のノートPCで実行したもの。GPU付のPCならもっと速くなると思われます。
プロンプトを作るコツ
・日本語でできるのはありがたいですが、日本語の理解力に限りがあります。過度に期待はしない。
・具体的で明確な指示をする。「花」ではなく「ピンクの一輪のバラの花」。単数・複数は重要。
・何度も修正をする。DALL-E3は完成した画像に追加で指示を出して修正できる。
・フィルター効果がつけらえる。水彩画風・油絵風・古風など。。
・画の調子を指定する。明暗のコントラストが強いとか弱いとか。
・描かれるものの大きさを示す。庭園を背景に若い女性の全身像など。
・時間帯を入れるのも有効。日の出、白昼、黄昏、夜景など。
なお、AIは暴力的、成人向、憎悪的な生成は拒否します。また有名人のフェイク画像も拒否します。存命アーティストの作風のソックリにするのも拒否します。
DALL-E 3のヘルプには作成された画像の所有権は利用者にあり、再印刷、販売、商品化の権利があるとしています。
引用元:https://help.openai.com/en/collections/3643409-dall-e-content-policy
*本稿は2024年2月時点でのアプリによります。
例えば従来の法律では、コンピュータ画面上に表示された他人の著作物の全部または一部を画像にして保存するスクリーンショットいわゆるスクショをする場合には、その著作物の著作権者の許可をもらうのが原則でした。情報検索のためや論文剽窃検証サービス等でネット上の画像を取り込むとか、AI開発のための画像の数理的的な解析のためなども、形式的な著作権侵害となる可能性があったからです。
またオンデマンド授業での講義映像・資料の送信、対面授業の予習復習用の資料のメールでの送信、スタジオ型のリアルタイム配信授業の際に、使用する著作物の許諾を受けることができない、権利者が見つけられない、手続きが煩雑で授業に間に合わないという問題がありました。そこで補償金の支払いのみで別に許諾を受けることなく使用できるようになりました。
全体としてダウンロード全面違法ではなく、著作権者の利益を不当に害しない範囲で、著作物の部分的な表示等ができるようになりました。そこで、著作権に触れるイラストなどが一部に写り込んだスクリーンショット(スクショ)についても、一律違法ではなく、私的使用の目的でのスクショであれば著作権の制限規定の対象であり、原則違法とはなりません。
規制の対象になるのは、権利者の許可無くネットに上げられた漫画や写真、論文などを、著作権侵害物だと知りながらダウンロードする行為です。また他人の著作物の一部を切り取ってスクショするような場合は、スクショの仕方によっては、著作者が著作物を勝手に変更・切除等されないという権利である同一性保持権の侵害になる可能性はあります。
ただし違法アップロードでも、その著作物の全体のうちスクショされるのがほんの一部分で軽微なものの場合には違法になりません。例えば漫画の紙面全体ではなく一コマの一部などの場合は著作権者の利益を不当に害しないと判断されるからです。
ちなみに、私的使用の目的であっても、正規版が有償で公衆に提供・提示されている著作物を、それが違法にアップロードされた著作物(国外も含めて)であることを知りながら、継続・反復的に受信してスクショする場合は、刑事罰として2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれらの両方を問われる可能性もあります。
参考資料:令和2年通常国会 著作権法改正について(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r02_hokaisei/
参考資料:著作権法及びプログラムの著作物に係る登録の特例に 関する法律の一部を改正する法律 御説明資料(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r02_hokaisei/pdf/92359601_02.pdf
参考資料:侵害コンテンツのダウンロード違法化に関するQ&A(基本的な考え方)(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/r02_hokaisei/pdf/92359601_06.pdf
すでに社内で何らかのマスコットがあったり、商品に愛称がある場合は、それらを発展統合させてキャラクターの基本デザインを作り、それを視覚化するためにデザイナに図案を頼んだり、宣伝活動に必要なバリエーション開発をすることになります。季節や衣装や大小などいろんなシチュエーションに合わせたキャラクターが必要になるので、一般的なデザイン画を揃えるだけではなく、動画の中でも使えるようなポーズが変えられる3DCGによるキャラクター開発が行われています。キャラクターのデザインを得意とする会社ではそのような要望にも応じていただけます。
グラフィックデザインに使われる3DCGソフトはフリーソフトが多く、blender https://blender-cg.net/ が有名です。これはオープンソースのプログラムで完全無料・日本語対応でWindows/Linux/Macそれぞれのバージョンがあり、バージョンアップも活発に行われています。
3DCGによるキャラクター開発は、
・モデリング(形を作る)
・テクスチャマッピング(表面に画像を貼る)
・ライティング(陰影をつける)
・アニメーション(動きをつける)
・モーショントラッキング(動きに合わせた編集)
・その他動画編集のようなこと
などができ、動画として書き出すとか、キャラクターを映像にかぶせてMCとして働かせることなどができます。
ただしBlenderは自力で勉強しなければならず、ちょっとした動画編集ソフトよりも難易度は高いでしょう。3Dモデリング特有の知識が必要で、思い通りの立体にするのが困難なため、平面上でイラストの延長では作業できないからです。
そこで、CG一般の勉強は省いて3Dキャラクターに特化したソフトとして「VRoid Studio」が、やはり無料で提供されています。VRoid Studioは人型の3Dモデルを持っていて、他の3Dアプリで利用可能なファイルにエクスポートするとか、VR/ARでアバターとして利用できます。概要は以下の動画にあります。
キャラクターがMCをしている例
またすでに2Dのキャラクターがある場合には、それを下絵にして「VRoid Studio」に要素を移していく方法もあります。
これら、今まで2Dのデザイン分野の方でも導入されているところがありますので、相談してみてください。ただ同じツールを使って作っていると似たテイストになりがちなことには気を付けましょう。
画像に中にスキャンした部分が含まれたりスクリーントーンのような網点がある場合は、印刷物になる際にもう一度網点化をするので、その時にモアレが出ないように注意をする必要があります。
そのグラフィックソフトが文字を扱う場合は、DTP側に取り込んだ場合に文字部分の再現がどのようになるかは一概にいえないため、事前に十分にテストをするのでなければ、文字部分は除外してグラフィック部分だけを別にしたファイルで交換するのがよいでしょう。
アニメ作成にはFlashのような専用ソフトが使われていましたが、アマチュアが画像・映像で遊びとしてアニメなど動画を作るツールも増え、投稿動画でも線画や文字を組み合わせたものがあります。しかしちゃんとしたフォントや文字が必要な場合はアマチュア向けツールでは難しいので、AdobeFlashやAdobePhotoshopを使って仕上げるのが一般的です。
AdobeFlash(参考例)は動画編集のようなタイムラインの機能がありますが、そこまでは必要ない数秒のアニメ(参考例)ならば、Adobe Photoshop CSやCCになって加わったアニメーション機能が使えます。Photoshopは静止画を扱うものですが、レイヤー機能によって複数の画像が扱え、各レイヤーに時間差をつけることでFlashもどきのアニメーションのように見せるようにできます。
またアニメーションを作るFlashでは、動きの始点となる画像と終点となる画像の中間のフレームを自動で作り出すことができますが、Photoshopのアニメーションでもやはり始点と終点として設定したレイヤーの中間のフレームを自動で作り出すことができます。Photoshopで中間フレームが作り出せることには限界がありますが、画像の位置を動かすだけではなく、異なる2つの画像の不透明度をコントロールすれば、画像が消えたり現れたりさせられ、もともとPhotoshop に備わっている機能の組み合わせでも多様な表現が可能です。
こうしてできた動画を保存する際にGIFアニメにすれば、そのままWebなどに貼り付けられます。また同様に動画として保存して、デジタルサイネージやビデオのテロップのような何秒単位の非常に短い動画として使うこともよく行われています。特にデジタルサイネージは通りすがりにチラッと見るものなので、画像をゆるやかに変化させる表現をとり、静止画をベースにしたゆっくりした動画がよく使われます。
単なる動画撮影だけではすぐに退屈になってしまい、間が持てない場合に、人目をひくように部分的に強調したいとか文字メッセージを入れたいという要望があります。特に文字テロップの多様はテレビの世界に共通するもので、動画編集においても文字の挿入・加工は重要な要素になっています。
参考:フレームアニメーションを作成する方法 (Photoshop CC)
「JOCのマーク・エンブレム、JOCが管理している選手の肖像やJOCが国際総合競技大会に派遣する日本代表選手団の映像、イメージ等の使用には、JOCの許諾が必要となります。特に、商業的な活動に使用する場合には、JOCが実施しているマーケティング活動に参加していただくことが条件となります。
また、JOCが管轄しているオリンピックをはじめとする国際総合大会のマーク等の知的財産やイメージの使用については、それぞれの大会の組織委員会の許諾の他に、JOCの許諾も必要となります。」
つまり公式スポンサーになっている企業でなければ無条件で使用できるものはないようですので、何らか以下のものの使用をご希望の場合には、必ず事前にJOCにお問合せください。
- 1. JOCのマーク及び公式呼称
- JOCのマーク・第2エンブレム・スローガン「がんばれ!ニッポン!」・JOCコミュニケーションマーク・オリンピック日本代表公式応援マーク 等 公式呼称(JOC及び日本代表選手団との関係を表す呼称)
- 2.選手の肖像
- JOCシンボルアスリート、JOCネクストシンボルアスリート等のJOCが管理する選手の肖像(容姿、氏名、イラスト、通称、サイン等)
- 3.日本代表選手団に関する映像
- オリンピックをはじめとする国際総合競技大会における日本代表選手団の映像
- 4.オリンピック大会のマーク・イメージ類
- オリンピックシンボル(5つの輪) 各オリンピック大会のマーク(エンブレム、マスコット、ピクトグラム等) 各オリンピック大会の映像・音声・楽曲・聖火・メダル・ポスター 等
- 5.その他
- ユースオリンピックゲームズ、アジア競技大会、アジアユースゲームズ、ユニバーシアード競技大会、東アジア競技大会のマーク・イメージ類 等
ただし一般的には、街頭などの写真を撮影したところ,本来意図した撮影対象だけでなく,背景に小さくポスターや絵画が写り込む場合は、著作隣接権者の許諾を得なくても利用することが侵害行為に当たらないことが、著作権法の一部を改正する法律(平成24年法律第43号)の「付随対象著作物の利用(第30条の2)」に記載されていますので、オリンピックのマークが背景にあったとしても、レタッチで消去しなければならないということではないでしょう。
企業や組織のロゴマークの使用については、ガイドラインが記載されている例が多くあります。条件によっては自由に使えるものもありますが、その場合でも守るべき事柄の注意があります。参考としてマイクロソフトの例を挙げておきます。
そのために原稿の絵に写真や墨絵のような濃淡階調あるいはグレイ部分があっても消してしまいます。もしイラストの中に白黒2値以外の濃淡とか着色された部分が必要であれば、それは別の画像として作成して、製版で合成することになります。
すでに白黒2値画像と一緒にグレイやボケ足など濃淡部分を作ってしまったなら、製版でマスクを作って両者を分けて処理することになり、余計な作業が増えてしまいます。
原稿の段階で薄墨などの濃淡はつけられないので、スクリーントーンの網点によって濃淡のようにする場合もありますが、スクリーンの線数があまり大きい(網点が小さい)場合は、モアレ(*)の原因になることもありますので注意が必要です。
この場合も原稿とは別に、どこに網点を入れるかの指示をしてもらって、製版で網点処理した方が美しいものとなります。
原稿が複数の白黒2値画像を切り貼ったり組み合わせたものの場合は、墨の黒さや紙の白さが少々異なっていてもきれいに製版できますが、墨の黒さがあまり異なると線の太さやシャープさに差が出る場合があります。
また切り貼りをしたところの陰が線になって残っていないか校正でチェックが必要になります。
パソコンの描画ソフトによって漫画風の絵を作成する時も、モノクロ2階調部分とグレイスケールの部分を分けて入稿するか、製版で分けなければならないことは一緒です。
いずれのCADでも線分、円、円弧、多角形、楕円などの「グラフィカル オブジェクト」が、レイヤー(層)、線種、寸法スタイル、文字スタイルなどと組み合わされたデータを持っていますので、CADシステムが異なってもデータの変換は可能ですが、表現が完全に再現できる保証はありません。
CADのグラフィックスを印刷用に利用するケースは、間取り図や設計図、配線図などの一部を切り出す場合と、建物のパース(立体表示)やテクニカルイラスト(ドローイング)を使う場合があります。前者はCADの「グラフィカル オブジェクト」が必要なのでデータ変換が必要ですが、後者は単なる画像なのでCADシステム側でTIFF形式で保存してもらうとか、小さなカット図形として使うならCAD画面のキャプチャをとれば、表現は完全に一致した画像が通常のDTPで使えるものとなります。
正確に個々の「グラフィカル オブジェクト」を取り込まなければならない場合は、AutoCADのDXF/DWGファイルなら互換性が高いので、データがAutoCAD以外で作られた場合でも、一旦DXF/DWG形式で保存してもらって、Adobe Illustrator CS に取り込むような使い方になります。DWGはAutoCADのフォーマットなのでAutoCADに戻すこともできるものですが、他のCADシステムには戻せません。DXFはAutoCADの異バージョン間の交換様式として作られ、多くのCADシステムが対応している標準的ファイル形式ですが、文字の幅や大きさが変わるなど完全な再現にはなりません。
またCADデータで個々の線に太さの情報が無い場合はすべての図形が最細線になりますので、Adobe Illustrator CS などで再設定が必要になります。レイヤーも印刷に必要ない層が含まれている場合があるので、最終仕上がりがどのような図形を必要としているのか、不必要な部分の削除はCAD側とDTP側のどちらでどのように分担して作業するのか、などの打ち合わせが必要になります。
- ①図面
- 写真や別の図版を元に線画の図版作成することを図面起こしともいいます。マニュアルなどでの操作説明では機器のテクニカルイラストレーション作成をします。これは一般には透視図とかパースに近いもので、今はパソコンの専用のツールを使って描かれます。
元原稿として写真や印刷物が必要で、仕上がりイメージ見本をつけることで、サイズ、線の強弱や、線の込み入り方、引出線などの打ち合わせをして描画依頼をします。パソコンの専用ソフトを使ってCADのようにして描かれた場合は、後で見る角度などの変更が可能になりますが、AdobeIllustratorなどの描画ソフトでは大幅な修正は難しいかもしれません。 - ②イラスト描画
- 絵画調のイメージ図やキャラクタなどは、イラストレータに依頼して描いてもらいます。この場合はCADのようには後で修正が利かないので、後から希望するものとは異なるということが無いように、描画する人の個性が出ている過去の実績を見せてもらって発注先を選ぶのがよいでしょう。
この場合も過去のものや他社のものでも希望するイメージとなる見本を用意し、描いてもらう必要がある部分の原稿となる下描きが必要になります。
一度イラストレータに依頼すると、後で異なる人に続編を描いてもらうのは困難になるかもしれませんので、以降にシリーズ化する予定があるのかどうかによってイラストレータとの交渉が異なります。発注が継続する場合はボツになったものも後日使えるかもしれないし、イラストレータも描き溜めもしてくれます。
漠然とした内容のイラストであるとか、専門のイラストレータに依頼する予算がない場合は、クリップアートとして自由に使えるイラスト集を買って使う方法もあります。 - ③清書(トレス)
- 多様な図版やグラフを扱わなければならない場合には、それぞれが作られた時のクオリティが異なるとか、コピーの繰り返しで汚くなっているなどにより、そのまま新しい印刷物に使うことができないので、必要サイズで統一したクオリティに清書するトレスが必要になります。
トレスは文字通り原図の上にトレシングペーパーを載せて製図するものですが、現在ではCADと似た方法でパソコン上で下絵を表示して行う方法もあります。この場合は図面の要素をあらかじめ部品化しておいて組み合わせるとか、使用する文字や用語も登録して使えるので効率的で正確に作業できます。
トレスの依頼も仕上がり見本と元図版を用意して、どの部分が必要で、どこが不必要なのかの基本ルールを打ち合わせます。しかし個々の図面について仔細に指示をすることは不可能なので、機械図面とか建築設計図と間取り図など、それぞれの専門的な内容をわかっていて、ルールに基づいて適切に判断できる方に依頼することがスムースに進めるコツでしょう。