2018年度(平成30年度)事業報告

自 2018年4月 1日
至 2019年3月31日
【事業概要】 私たち日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会の2018年度(平成30年度)の事業を振り返りますと、緊急の課題である「財政危機」をはじめ、山積する難題にどのように対処すべきか、組織運営の健全化をはかるため議論を幾度となく重ねてきました。また、具体的な対応策と組織存立の意義を考え、将来を見据えた必要不可欠な事業の遂行と継承をかなり厳しい判断や決断を強いながら慎重に進めてまいりました。
 今年度は業界組織として存在感のある振興に努めるとともに、次代を意識した立ち位置での情報提供や発信に努めてまいりました。【実施事業】では「情報の共有化」を基本とする「広報事業」を展開した。その中核にある機関誌・月刊『gcj』は,年度途上で大幅な刷新した編集・発行を行い、さらなる誌面強化を図った。さまざまな分野の経営と技術等の役立つ内容、情報を収集して、全国の組合員の皆さまのもとに提供をしました。
併せて、ウェブサイトの充実を図り、公式サイト【GCJホームページ】とポータルサイト【GCのトビラ】で独自の情報発信を展開してきました。
【一般事業】では、[組織基盤・運営]事業を核に、それぞれの対応を重ねながら各種事業を推進して所期の成果を収めました。
このように事業推進に努めることができましたことは、全国8会員(工業組合)所属の組合員各位のご理解とご支援、ご協力の賜物にと深く感謝いたします。
ここに、次のとおり「2018年度(平成30年度)事業報告書」を申し上げます。

【実施事業】

Ⅰ.[事業戦略]事業の推進

私たち日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会(以下、GCJと略す)は、微力ながら、【事業戦略】事業を通じて直面する課題に取り組んできた。私たちの組合事業が大きく変貌するなか、次代に繫がる明日を意識した事業を中心に据えた、「情報発信の強化・提供」に微力ながらも努めてきた。

1.存在感のある集団(組織)として、業界内外に向けた情報発信に努める

機関誌・月刊『gcj』をはじめ、公式サイト【GCJホームページ】及びポータルサイト【GCのトビラ】の編集・発行を通じて、全国の組合員への情報提供だけでなく、顧客(お得意先)に向けても、積極的に私たち業界の存在を知らせる「広報活動」を展開してきた。

誌面構成も、サイトも多角的な視点で経営環境やマーケティング情報、さらに日進月歩の最新技術関連情報など、常に最新のバージョンアップをした構成、編集をしてきた。 “伝えたい情報”を“伝えたい人”に、を念頭に置いた「情報の発信基地」として特徴ある活動を展開してきた。

機関誌・月刊『gcj』は、誌面の充実を図るべく9月号より誌面の構成や体裁を刷新した。創刊(2001年4月号)以来、B5サイズ・タテ組・4色カラーで発行し親しまれてきたが、9月号からはA4サイズ・ヨコ組・4色カラーに刷新した。

さらにクライアント(協賛広告主)である賛助会員や関連業者の協力を得た広報・宣伝活動を念頭に「営業、マーケティング」などの効果を最大限引き出し、それを情報発信できる最適な「協賛広告」はどうあるべきかという観点から、『協賛記事広告』を月1~2ページ設けた。クライアントの営業戦略、訴求につながる新製品及び既存製品などの信頼ある情報提供を紹介した。編集サイドのビジュアルやトーンを、タイアップでメッセージ性を高めた記事風形式の『協賛記事広告』は好評を博した。

(1)機関誌・月刊『gcj』の発行(年12回)

 担当:広報委員会 

機関誌・月刊『gcj』の内容の充実を図るため、毎号時勢に適した特集や「人物紹介」「業界関連の先端技術」「マーケティング」を連載、さらに全国のGC組合の動きや業界内外の関連ニュースなど、多彩な情報を収集して的確な内容で編集・制作をしている。

今年度の「特集」のテーマは次のとおり。

2018

4月号:ソフトプルーが色校正の時短とコストダウンを約束する
5月号:「2017年デジタル印刷市場の現状」(日印産連から)
6月号:顧客は印刷とデジタルの“二刀流”でサポートを
7月号:生産性を向上させるワークフローとは?
8月号:進化するDM -QRコードで顧客の行動を可視化する-
9月号:IGAS2018 印刷のトレンドが見えた -メーカー同士のシステム連携が進展-
10月号:業務改善で生産性向上と売上増を目指す!
11月号:「包む技術」-売れるパッケージデザインとラッピングビジネスとは-
12月号:自社の強み・魅力を創る企業

201

1月号:2019年 新春企画 働き方改革で目指すのは労働生産性の向上!
2月号:求められる写真のキャリアアップ支援
3月号:ピックアップpage2019
※当機関誌・月刊『gcj』発行にあたっては、「協賛広告」並びに「記事広告」にご協賛を頂戴しました。ご協賛の各企業様には深く感謝を申し上げます。

(2)公式サイト【GCJホームページ】で情報発信

GCJの社会的認知と存在感を高めるべく、その事業活動や内容などを広く業界内外へ公式サイト【GCJホームページ】( https://www.gcj-page.or.jp/ )を通じて広報活動を展開、一層の充実を図るとともに情報の更新を実行し的確な情報発信を行った。

(3)ポータルサイト【GCのトビラ】で情報発信

ポータルサイト【GCのトビラ】( https://www.gcj-page.or.jp/ )はGC東京の主導で情報発信している。近年、サイトの認知度も高まり業界内外からのアクセス数も増えている。

サイト内はユニークなビジネス展開や制作に関わる各種のソリューション情報、ビジネスに直結する「制作会社検索」では、登録会社の検索機能を充実させ登録者が直接更新できるようになっている。

サイト内の主なコンテンツは、

①プロのものづくり集:組合員企業の最新の技術や独自のアイデアによるものづくりのビジネス事例を紹介している。
②制作会社検索:登録した企業の社名、都道府県、事業分類の各分類から検索ができる。
③制作お役立ち便利帳:制作に関するさまざまな疑問に専門家が答える。
④匠のカタログ:ユニークな技術や卓越した技を持つ制作会社の紹介ページ。各社の特長を1ページにまとめて紹介。会社概要はもちろん、得意技や制作に対する思いなど、顧客ニーズに合った会社が見つけられる。

(4) 「GCJクラウドサービス」の実施

業界が評価して運営形態を管理し、適正に組合員企業に提供する「クラウドサービス(バックアップサービスのみ対象)」をGC東京の賛助会員企業(株式会社キクミ)と運営の連携、協力して低コストでの提供を実現、運営をしている。

(5)各種情報の提供

   ①FAX通信『GCJ INFORMATION』配信

各種事業など情報伝達の利便性を活用して、FAX通信『GCJ INFORMATION』で情報発信に寄与した。さらに、外部機関などの各種情報の配信を行った。

   ②日印産連・「Web版印刷用語集」に協力及び普及・啓発

日印産連が印刷業界の標準化の一環として『現場で役立つ印刷用語集』のWeb版を発行している。この編集にあたっては、GCJからも委員を派遣、印刷用語の記載内容などの整合性、問題点及び改善などの編集に協力した。

「Web版印刷用語集」は【GCJホームページ】及び【GCのトビラ】に下記のバナーを貼付、クリックすれば活用できる。

2.環境保護対策の推進

(1)環境保護印刷推進協議会への協力

主管団体としてGCJが主導的役割を果たしている「環境保護印刷推進協議会(E3PA)」の主要な事業である「認証制度(クリオネマーク)」の普及、啓発などの事業活動に理解し協力をした。また、同協議会が企画するイベント、セミナーの開催案内をPRし、参加の協力をした。

同協議会にGCJから役員1名を派遣、現在は10社が会員として参加している。

(2)一般社団法人日本印刷産業連合会「グリーンプリンティング認定制度」への協力

日印産連が推進する認証制度「グリーンプリンティングマーク(GPマーク)」の支援や普及、啓発に協力した。

(3)一般社団法人日本印刷産業連合会「環境優良工場表」への協力

印刷関連企業の優れた環境への取組みを表彰する「第15回印刷産業環境優良工場表彰」では、GC東京所属の東京平版株式会社岩戸工場が「奨励賞」を受賞した。

(4)環境関連の情報提供

環境保護に関連する資料を組合員に配布し、啓発に努めた。また、環境関連法令等による職場環境改善、労働安全衛生等の理解並びに対策に資するため、関係官庁・団体等の情報を収集し提供、発信に努めた。

 (5)日印産連の冊子「第2回印刷と私」の配付

昨年度から実施して好評である、「日印産連「グリーンプリンティング認定制度」事務局が主催する「第2回『印刷と私』エッセイ・作文コンテスト」の作品募集を行い、「受賞作品集」を発刊し、配布した。その冊子を全国組合員に配した。

3.一般社団法人日本印刷産業連合会の事業への協調

一般社団法人日本印刷産業連合会(以下日印産連と略す)の役割や活動テーマ等を理解し、同会が「印刷産業は【持続可能な社会】の実現にこうけんします~SDGs目標達成に向けて~」として、4つの委員会と連動して事業の遂行をめざしている。その事業遂行の理解と協調に努め、各種委員会や研究会、部会などに委員を派遣し、適切な協力関係と交流を促進した。さらに、同会から適切な情報収集や提供を受けるとともに、交流の場を通じてコミュニケーションを図ってきた。

【一般事業】

Ⅱ.[組織対策]に関する事業の推進

組織対策事業

1. 組織基盤・運営対策事業の推進

(1) 全国8会員(工業組合)の組織基盤の確立

①全国8会員(工業組合)との緊密な連携と協力を図り、組織活動を展開し、推進した。 
②全国8会員(工業組合)の事業活動における連帯意識の向上や組織活動に努めた。

(2) 将来に向けた「組織基盤」や「事業運営」などを多方面から検討

財政事情の厳しさを憂慮し、数年前からの「赤字対策」の具体的な解決策を見いだすため、打合会議や集会を幾度か設けて意見交換や議論を重ねてきた。進捗状況の成果が余り感じられないなか、今後の業界組織の存立に関する究極の選択を真摯に検討するために意見交換、会議を重ねた。

(3) 協力関係業種(業界)等との交流を促進

私たちと協力関係業種(業界)等との相互理解と協調を深めるため、全日本印刷工業組合連合会、一般社団法人日本グラフィックサービス工業会、全日本製本工業組合連合会の「4団体懇談会」などを通じ交流を図ってきた。

2.関係官庁・関連団体との折衝

業界の発展向上に資するため、経済産業省、厚生労働省をはじめ、全国中小企業団体中央会など関係官庁、関連団体と折衝を行った。

3.各種表彰の実施及び推薦  

日印産連の2018年度(平成30年度)「印刷の月」に印刷功労賞に田村 壽孝氏(GCJ会長・GC東京理事長)、印刷振興賞には石本 忠廣氏(GCJ理事・GC中国専務理事)がそれぞれ受賞した。

4.各種事業の推進

 各種事業関連対策事業 

(1)経営・技術関連等の関連事業の推進

業界を取りまく「経営」や「技術」に関する情報を収集、広報の機関誌・月刊『gcj』を通じ情報提供に努めた。

(2)情報セキュリティ対策の推進

1)「情報セキュリティ対策」関連の情報提供

企業活動における「個人情報の保護」「情報セキュリティ」などの重要テーマへの取り組み、さらに得意先から預かる貴重な原稿類(情報)の扱いに関するセキュリティ対策の情報提供や啓発に努めた。

2)「知的財産権」等の情報提供及び啓発・普及を推進 

①知的財産権に関する知識や業務(コンテンツ制作)に関わる「著作隣接権」などの権利の趣旨内容の情報収集に努めた。
②機関誌・月刊『gcj』等で関連情報の提供を行うとともに、日印産連の機関誌「JFPI」から「知的財産アドバイス」を転載し情報の提供、啓発に努めた。

3) 福祉共済事業の推進

各種共済の加入促進及び共済事務の合理化を図る。全国8会員(工業組合)と協力して「生命共済制度」「退職金共済制度」等の各種制度の加入促進に努めた。

また、一般財団法人全国中小企業共済財団と連携して事務の合理化、効率化に努めた。

4) 労務対策の実施

労働環境の変化に対処するため、関係官庁と協力して指導並びに機関誌・月刊『gcj』等を通じ資料等の提供を行ってきた。

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