マーケティング施策でウェビナーの有効活用を

今回は、2023 年7 月21日に株式会社Innovation X Solutions(東京都渋谷区)が「最新カスタマージャーニーから読み解く ウェビナー施策の重要性と成功の秘訣とは」をテーマにオンラインで開催したセミナーを紹介する。講師は同社Match UPチーム・イベントテクノロジーユニット ビジネスデベロップメントグループマネージャーの上野洋氏。 データやアンケート結果を基に、デジタルシフト時代のカスタマージャーニーにおけるウェビナーについて紐解いた。今やウェビナーを使ったビジネスが不可欠になりつつある中、カスタマージャーニーの解説からウェビナーの重要性・有用性、企画の仕方、施策内容、成功の秘訣などについて解説した。

レクチャーズ・ルーム 54

株式会社Innovation X Solutions
上野 洋 氏(講師)

 上野氏は、インターネット事業を展開するアイティメディア㈱が2023年7月に実施した「製品導入時の情報収集に関するアンケート調査  」の回答結果を基に、ウェビナー施策の在り方について話を展開していった。
 アンケート調査から、ウェビナーがマーケティング施策として取り上げられる機会が増えていることを指摘し、「カスタマージャーニーにおいてウェビナーは認知、理解、検討、購入決定の段階で、コンテンツの作り方によってどんな顧客とも接点を設けることができるという、新たな手法として確立されていることが読み取れます。ウェビナーというデジタル手段は、コロナウイルス感染拡大前まではほとんど利用されていませんでしたが、コロナによってこの3年あまりで急速に普及しました。今では製品購入時でもウェビナーを見て決める人が一定数いるわけです。どの段階においても必要な施策になってきたということです」と話す。
 続いて「ウェビナーはお客様との接触時間が長くて、かつ音声による説明や、講師の身振り手振りといった動画情報も伝えることができるため、情報量が他のメディアと比べて圧倒的に多いのが特長です。目的に合わせたコンテンツを作ればウェビナーは活用することができます」と、ウェビナーのメリットを説く。
 「ウェビナーコンテンツはどんなお客様にどんな情報を伝えたいのかを決めてから、企画し制作することが大切ですし、ウェビナーを開催しますと、お客様の反応を即座に感じることができます。また、成果になったコンテンツがあればホワイトペーパーやWebサイト、オウンドメディアの記事として2次、3次利用することができ、新たなマーケティング施策に利用することができます」と説き、カスタマージャーニーへの有用性を説く。
 次にウェビナー施策の成功の秘訣に触れ、最初に最も重要なことはウェビナーを何の目的で行うのかを定義することを強調した。認知拡大であれば参加者を集めることが目的になるため、参加者数がKPIになってくる。また、商談が目的であれば、ウェビナー終了後のアンケート数から何件商談できるかがKPIになるという。
 目的が決まれば、次に目的を達成するためにウェビナーに参加したターゲットをきちんと定義づけて、ターゲットがどんな方法で情報収集を行っているのか、悩み事、ニーズ、チャレンジしていることなどを、仮説として定義づける必要があると指摘する。
 そして「ウェビナーに参加していただいたお客様にどうなってもらいたいのか、こういうふうになってもらいたい、こういう行動を起こしてもらいたいと、理想論でいいですから、アフターの定義づけをし、定義した後はウェビナーに参加してくれたお客様に、そのように思っていただくためには何をお伝えすれば良いのかという点を考えます。その『何を』がウェビナーのコンテンツになります」。
 この段階でのコンテンツとは、概要を記した文章をコンテンツマップにまとめて表にしておくのが良いという。その都度コンテンツを考えるのは大変なため、どのターゲット向けでどんなテーマであるのかを記録として残しておくことを勧めた。
 最後はどうやって伝えるという具体的な手法について言及。「ウェビナーは構成が命です。案内し、アジェンダを提示して、自己紹介して、パートに分けて話して、という構成を考えます。また、それぞれのパートをどう割り振って構成していくかを決めます」と、一連の流れを説明し、ウェビナー施策を促した。

ウェビナー レクチャーズ・ルーム