デジタル印刷機による色校正業務

時代は高品質なデジタル印刷機による色校正へ

色校正は、これまでは本機校正や平台校正、あるいはDDCPによって行ってきました。最近は、インクジェットプリンターを使った簡易校正も台頭し、デジタルプルーフが普及しつつありますが、なかでもデジタル印刷機が高品質化したことで、色校正をデジタル印刷機で行うケースが増えてきました。

現在の色校正は、「平台校正機の老朽化」「品質の不安定性」「人材の育成」「感材使用による環境改善」などの問題を抱えています。それらを解決するものとしてデジタル印刷機による色校正がお薦めというわけです。品質的にはオフセット印刷機に見劣りしないクオリティで校正できるようになったことが最大のポイントですが、立ち上がりの速さや小ロット印刷に適しているということで、印刷機としても導入が進んでいます。時代は間違いなくデジタル印刷機による色校正に移行しつつあると言えるでしょう。

脚光を浴びているデジタル印刷機として富士フイルムの「FUJI JetPress720」があります。その高画質性には定評があり、実際、お客様の評判は高く、校正刷りの機械として注目が集まっています。

1枚目から安定した高画質の校正刷りを実現

同機が高画質である理由は、高速顔料凝縮技術を採用した独自のインクとヘッドの開発にあります。一般的な水性インクジェットプリンターを使って塗工紙に印刷する場合、ノズルから噴出されたインクは、着弾時に「水・溶媒」が吸収されず顔料が自由に動くため、次のインクが着弾すると、合一によってにじみが発生します。

これに対して、Jet Press 720は、事前に表面処理したプレコンディショニング液の成分とインクが瞬時に反応し、インク中の顔料が高速に凝集するため、用紙の風合いを変えることなく、インクのにじみを防ぐことができるようになっているのです。また、色はJapanColorよりも広い色域のRGB画像の鮮明な発色を、CMYK4色のインクで再現しています。もちろん本紙校正にも対応できます。

JetPress720は、1枚も100枚目も変動範囲の⊿Eが1前後の中で収まりますから、オペレーションの技術が不要です。デジタル印刷機のいつでも同じ色を出力できるという特性が発揮されるのが強みです。ですから、色校正に厳しいお客様のニーズに即座に応えられます。

印刷機ごとのプロファイリングを作成し校正刷りすることが可能

プロファイルについては、コート・アート紙、マット系、上質系の大きく3パターンのプロファイルを作成できますから、通常の商業印刷物であればほとんど対応できます。これに同機の標準濃度のインキでカラーマッチングさせていくことになります。印刷会社で独自のプロファイリングを決めている場合は、それに合わせた印刷濃度で対応しています。

例えば、印刷会社によっては、印刷機ごとにプロファイリングの作成の要望が出てくる場合があります。そこで、それぞれの印刷会社で印刷機ごとに本機印刷したものを受け取り、測色してプロファイルを作成します。印刷会社から指定された印刷機があれば、そのプロファイリングを使ってJetPress720で校正刷りすることになります。これによって、一度プロファイリングを作成しておきますと、次からはその通りにいつも校正刷りを出せますから、顧客である印刷会社は印刷機の立ち上がりが格段に早くなり、損紙が大幅に減少されて、効率化・コストダウンを図ることができます。

校正紙も上質紙、コート紙、アート紙など一般的な印刷物に使用させる用紙で校正刷りを出力することが可能です。平台校正機の場合は1時間当たり4台ほどしか刷れませんが、JetPress720であれば20台ほど刷れますから、校正刷りの生産力は段違いに高くなっています。JetPress720で校正刷りを始めますと、正確に安定した色校正を出力しますから、逆に印刷機側の色管理が問われることになります。印刷機のメンテナンスをしっかりしている印刷会社であれば、JetPress720の能力がいかんなく発揮され、校正に対して絶大な信頼を得ることになるでしょう。

印刷は、用紙幅のヘッドで搬送方向にワンスキャンで印字する、オフセット印刷機と同様のシングルパス方式を採用していますから、用紙搬送は高精度であり、高い印字位置精度や印字の安定性が得られるのもメリットです。菊半2,700枚/字(A4換算:180枚/分)という高い生産力を持っています。

それにCTPから現像、オフセット印刷という従来工程に比べCO2排出量(カーボンフットプリント)が非常に少ないため、より環境にやさしい印刷を実現しています。

色校正では、製版会社に留まらず、印刷会社やデザイン会社まで色校正業務を必要としている全てのお客様のニーズに応えられます。次のような課題や問題を抱えているお客様は「JetPress720」による色校正が適しています。

  1. クライアントから3校、4校と何度も色校正が必要になる。
  2. 色校正のクオリティに厳しいクライアントを多く持っている。
  3. 営業マンが校正刷りをクライアントまで頻繁に見せに行かなければならない。
  4. 平台校正機を使っているが、湿度温度によってドットゲインが変わるため、環境に気を遣わなければならず大変である。
  5. 本紙校正を求めるクライアントに応えるのに苦労している。
  6. 色校正で出力するのに印刷物やクライアントによって、いろいろな業者を使っているが、煩雑なので統一したい。
  7. スピードの速い校正機がほしい。

お問い合わせ先:株式会社共栄メディア

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