株式会社ショウエイ■新しい表現に挑戦し技術力で顧客のニーズに応える

「新しい表現に挑戦し続ける」を経営理念に、顧客のアイデアをより良いかたちに実現している株式会社ショウエイ。UVインクジェットプリンターなど最新の印刷技術を駆使し、クオリティの高い媒体を提供している。井上亘会長に経営理念や事業内容について話を伺った。


株式会社ショウエイ

〒112-0005
東京都文京区水道2-5-22
https://www.shoei-site.com/ 

代表取締役会長
井上 亘(GC東京)

最新機器を駆使し高品質に対応

 今年で創業72年目を迎えた株式会社ショウエイは、製版業として画像処理、製版、印刷までワンストップソリューションで事業を展開してきた。特に画像修正・合成・色調変換などのフォトレタッチを得意とし、顧客に高い品質を提供することをモットーにしている。
 同社は今年6月に役員改選を行い、井上亘社長は代表取締役会長に就き、代表取締役社長には実弟の井上悟氏が就任したが、現社長で5代目ということで、着実に事業承継が行われていることが窺える。
 同社の顧客は品質を重視する大手企業が多い。その要求に応えるために発想力を豊かにし、無限の表現力を作品づくりに注ぎ込んでおり、厳格な印刷分野で高い評価を得ているのが同社の特徴である。
 アナログで培った製版技術を基盤に美術・商業印刷から大判カラー出力、看板・ディスプレイまで幅広い分野のさまざまな媒体を、最新機器を駆使して制作している。
 「色校正に厳密なお客様は弊社のスタッフがお客様の会社にお伺いして、部屋の照明環境を整えてカラーマッチングが可能な照明の下で色校正を見てもらっています。また、校正紙を処分する際は、商品が発売される前に知られてはいけませんから、外に出ないように社内で裁断し破棄しています」と、顧客の色校正のニーズに応えている。
 そんな制作を支えている設備の中で、特に武器となっているのが高品質な出力が可能なワイドフォーマットのUVインクジェットプリンターである。2016年に「swiss Qprint Nyala2」を、2022 年には「swiss Qprint Nyala4」を導入した。Nyala4 はNyala2 の後継機で、最大印字幅3,200mm×奥行2,030mm、厚さ50mm まで対応できる機種で、CMYK、ライトシアン、ライトマゼンダ、ホワイトインク、クリアインクに加えオレンジインクを搭載し、高解像度の幅広い色調と質感を実現できるのが特長だ。特にホワイトインクは隠蔽性を持たせたり、白色を豊かに表現したり、白を下地にすることで発色の良い色彩表現を実現したりと、多彩な画像表現が可能で利用価値が高い。同社ではこれらUVインクジェットプリンターを主体に高い表現力を訴求し、顧客に提案している。
 また、紙以外の媒体に対応できるカッティング加工機「ZUND G3L-2500」を導入し、アクリル板、スチレンパネル、木材等のさまざまな媒体の加工にも注力している他、社内に撮影スタジオを完備し、プロのカメラマンによる時計などの物撮りも行っている。
 その他、CTP 出力機、各種UV インクジェットプリンター、Tシャツや衣類に出力するガーメントインクジェットプリンター、熱と高い圧力を均一に加える平型オートプレス機、ラミネート加工機、パネル加工機、レーザー加工機、DDCP出力機、フラットベッドアプリケーター、オフセット印刷機など、設備は豊富だ。

クリエイターの想像力を引き出し具現化する

 同社はUV インクジェットプリンターをより多くのクリエイターに知ってもらうことを目的に、7年ほど前から彼らの作品作りをサポートしている。実際にクリエイター自身に出力してもらうことで、UVインクや紙の質感を作品に活かす活動を展開してきた。その事業が軌道に乗り、今日ではクリエイターとのコラボレーションが普通に行われるようになった。
 新しい印刷技術・特殊加工、紙以外の素材など、訴求力があるものから、創作性のある面白い加工まで幅広い提案を行っており、クリエイターの想像力を引き出して具現化している。「クリエイターの方たちの発想力を上手く表現できるよう、チャレンジ精神でサポートしています」とのことだ。近況としては今年7月にイラストレーターTERU氏の作品を、紙だけでなく塗装された木製や錆加工を施したパネルへダイレクトにUVインクジェットでプリントするなど、出力でサポートした。
 営業に関しては「大手印刷会社さんと共に営業する形が多く、お客様の話を直接伺ってニーズをしっかりと汲み取っています。そうすることで高品質を求められる大手印刷会社と、その先のお客様との強固な関係を築いています」とのことだ。
 また雇用については、今年新卒を3名採用したとのこと。印刷業界で次第に難しくなっている新卒採用であるが、同社の紙に拘らないクリエイティブな制作や将来性を見込まれて応募してきた感があるという。
 「ホームページの新卒募集に応募してきたので面接し採用したのですが、今の学生さんはSNSでも企業の状況を見られていて、弊社が発信するSNSを見て応募を決められたようです」と、SNSは人材採用で重要だと説く。
 今後も高品質をモットーに、特殊印刷・加工によるクリエイティブソリューションを前面に打ち出していく方針だという。「協力会社と連携し、お客様と将来にわたって共存共栄の関係を維持し、共に発展していければと思っています」とのことだ。



UV GC東京 Fellowship