ダイレクト株式会社■DMのスペシャリストとしてDMのトップを目指す

ダイレクトメールを新しい柱に展開しているダイレクト株式会社。「喜ばれる広告を通じて笑顔をつぐむ」を経営理念に、企画からデザイン、印刷、配送までワンストップサービスで顧客のニーズに応えている。4代目の経営者として同社を牽引する渡辺功一郎社長に、事業内容を中心に話を伺った。


ダイレクト株式会社

〒761-0701
香川県木田郡三木町池戸1550-2
http://www.direct-p.com/  

代表取締役
渡辺 功一郎氏(GC四国)

DMの要はリピーターを獲得すること

 渡辺社長は、先代のご尊父様からの要望もあって2006年にダイレクト株式会社に28歳の時に入社した。それまでシルク印刷を専業にしている印刷会社をはじめ、県内のいくつかの企業に勤めてきた経歴があり、それらの企業で培った経験を印刷ビジネスに活かしたという。社長となって事業を承継してからも、「人と人との繋がりを感じられるビジネスを大切にしたい」という気持ちで経営に臨んでいる。
 同社は昭和46年7月に創業、平成4年に現住所に社屋を移築し、商業印刷を中心にさまざまな印刷を手掛ける総合印刷会社として事業を推進してきた。中でも主力事業になっているのが、社名が示すようにダイレクトメール( 以後、DM)の制作・印刷である。
 渡辺社長の入社に併せるように、前年にはKodakPrinergy ワークフローシステム、8面付け対応のサーマルプレートセッターKodakTendsetter800 Ⅱ Quantum を導入し、デジタル化を開始した。その後もインクジェットプリンターの増設、発送代行業への参入、宛名印字機の導入と、DM事業を推進するための設備やサービスを強化してきた。
 「DMはお客様の商品や伝えたいことをいかに魅力的に発信していくかがポイントですから、弊社は心に響き印象に残る制作を心掛けています」と話す。
 商圏は県内中心だが、徳島市に営業所を置いているため他県にも及んでいる。DM事業で最も重視していることは、安定したリピーターを確保するということである。渡辺社長は「弊社で最も大切にしていることは、お客様にプラスアルファを提供していくことです。お客様に成果を出して喜んでいただくために何ができるかを常に考えています。ですから、一度お取引をしていただいたお客様とは長くお付き合いしていただけるよう努めています」とのことで、顧客のほとんどが県内の企業や店舗のリピーターから成り立っているという。
 同社はオフセット印刷機を保有しておらず、中大ロットの印刷は外注に出している。またWeb関連のビジネスも協力会社に外注しているとのことだ。

紙に拘らないモノづくりに注力を

 社内では富士ゼロックスのオンデマンド印刷機で、小ロットのDMや小サイズの印刷物に対応している。
 「確かにDMを前面に打ち出した事業を展開していますが、売上構成比で言えば3分の1程度で、残りの3分の2は商業印刷全般になります」とのことで、DMの他には名刺、ハガキ、チラシ、チケット、パネル、ポスターなどがある。
 「DMには少量印刷に応えられ、低コストで仕上げられるオンデマンド印刷機が適しています。よりリーズナブルでスピーディに対応していくことを信条にしています」。
 また、顧客の商機のタイミングを逃さないよう最短2日で完成させるスピーディさも特長である。また、実際に手に取ってもらうために、効果の上がるデザインやアイデア、配布方法を提案するDM制作を心掛けている。中には日本ダイレクトメール協会認定のマーケティングエキスパートやDMアドバイザーの資格を取得している社員もおり、DMの提案力は折り紙付きだ。クリエイティブ性のあるレスポンス効果の高いDMづくりを目指している。
 「そもそもDMの本来の目的は、既存のお客様の囲い込みに用いられるものです。新規顧客を獲得したいのであれば、地域全体に配布できる折込チラシのほうが安価で効果が高いです。またロイヤル顧客、優良顧客、見込み客、潜在顧客と、ある程度分類しバリアブル印刷で対応したほうが効果は高いのですが、お客様になかなか理解を得られませんし、コスト高にもなりますから、提案しても受け入れてもらえないのが実状です」と、DMの課題について説く。
 また、以前に幼児教育からイベントまで活用できるユニークな商品「ひらがなうちわ」を企画し、オリジナル商品として販売した。「新たな商品開発が必要だと感じており、そのための企画会議なども開いて次の手を考えているところです」と、商品開発にも力を入れていく考えだ。
 2013年に社長に就いて今年で10年を迎えた渡辺社長であるが、今後の方向性について、オンデマンド印刷機しか保有していないこともあって、「これからは紙のDM印刷に拘る必要はないと感じています。ノベルティ関係であるとか、販促全般に関わってくるモノづくりに事業を拡げていければと考えています。いずれにしても、ダイレクト広告のスペシャリストとして、顧客と共に歩んでいければと考えています」とのことだ。



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