カワセコンピュータサプライ株式会社■印刷事業者からコミュニケーション創造企業へ

データプリントサービスからバリアブル印刷、クラウド情報処理、ビジネスフォームまで一貫したセキュリティ管理の下で、情報処理をコアに印刷とデータ出力のBPOサービスを展開しているカワセコンピュータサプライ株式会社。いまや印刷事業者からコミュニケーション創造企業へ躍進している。同社を牽引する川瀬啓輔社長に事業内容について話を伺った。


カワセコンピュータサプライ
株式会社

〒104-0061
東京都中央区銀座7-16-14 銀座イーストビル4F
https://www.kc-s.co.jp/  

代表取締役社長
川瀬 啓輔氏(GC東京)

培ったIT技術を活用し顧客をサポートする

カワセコンピュータサプライ株式会社は、川瀬社長のご祖父様が1955年に、大阪市でビジネスフォームや巻取紙の製造・販売の会社を設立したのが始まりである。川瀬社長は2020年6月に開かれた株主総会で正式に五代目の社長に就任。2022年4月には東証スタンダード市場に移行し、同年8月に本社登記を大阪から東京に変更している。
事業所は東京本社の他、営業支店として関西支社、横浜、千葉、名古屋、京都、神戸に各支店を、大阪市平野区に物流拠点、千葉県佐倉市に情報センターを保有している。従業員数は105名とのことだ。
社長就任時がちょうど新型コロナウイルスの緊急事態宣言と重なったとのことで、「市場が一気に停滞ムードになりました。企業がテレワークやDX化を進めるようになったために、電子化、ペーパーレスが進み、印刷事業に多分に影響が出ました。しかし一方で、政府がコロナ関連でさまざまな施策を打ち出したことで、お客様がいろいろな通知物を速やかに印刷し郵送しなければならなくなりましたので、弊社の事業の1つである通知物の印刷から封入・発送業務で、多少ではありますが恩恵を受けたのは確かで、その点はプラスになりました」と、コロナ禍での状況を振り返る。
事業は、大きくデータプリントサービス、フルカラーバリアブル印刷、クラウド情報処理、ビジネスフォーム・各種印刷の4つの領域を展開しており、『印刷事業者からコミュニケーション創造企業へ』を基本方針として打ち出している。
「インターネットにより情報の仕組みが大きく変化しています。弊社は『情報を届けたい人』に『情報を届けることをお手伝いする』というコミュニケーション創造企業を目指しています。弊社がこれまで培った紙と情報処理の複合サービスにIT技術を駆使し、お客様の企業とその顧客が綿密な関係になるようサポートさせていただきます」とのことで、情報処理をコアとした印刷とデータ出力のBPOサービスを展開している。

クラウド情報処理を強化しペーパーレス化に対応

印刷関連の設備を置いて印刷業務を行っているのは、千葉県の情報センターである。主な設備は富士ゼロックスの高速インクジェットプリンター「11000 Inkjet Press」、高速封入封緘機「フュージョンクロス」、定型外高速封入封緘機「SP8000」、超高速データ印字システム、8色輪転印刷機などを設置し、ワンストップでトータルサービスを提供している。
同社は95年には、既に高速インクジェットプリンターを導入し、データプリントサービス事業を開始している。当時は大手企業2社ほどしか導入されていなかった機械を、同社のような中堅クラスの会社が導入し、情報処理に取り組んだのは珍しく先進的であった。「お客様が出力センターのドットプリンターで個人情報が入った帳票類を印刷していたのを、弊社がアウトソーシング会社として受注するスタイルでした。その分野ではいち早くデータプリントサービスに取り組んだと言えます」と、BPOサービスを主体に成長してきた経緯を話す。
そのため主な取引先は、銀行、証券、生保、損保の企業が多く、それぞれ顧客ごとに異なるフォームに適切にデータを出力し、帳票加工・封入・発送まで、厳重なセキュリティ管理の下でスピーディに業務をこなすことを信条にしている。
ただし、今後はDX化による電子化・ペーパーレス化が一層促進されることで、従来の紙主体のビジネスモデルでは先細りしていくとのことで、クラウドテクノロジーを活用した電子通信事業を優先的に推進していく基本方針を立てている。
1つは、顧客の業務負担と郵便料金削減のためのクラウド請求書発行サービス「EBS」(Eco Billing Service)の推進である。もう1つは申込書の配信とオンラインでの申し込みを可能にしたサービス「DCS」(e-Document Cloud Solution)である。これらクラウド情報処理に注力していくという。
またビジネスフォーム関連分野では、「お客様の個人情報を預かって、最適な情報処理を行うプリント業務をこれまで以上に強化していく考えです。最近導入した高速インクジェットプリンターは、色の再現性が一段と向上しており、ビッグデータを活用してお客様独自のデザイン・レイアウトや画像、商材を出力することが可能です。圧倒的にパーソナライズしたデータ処理・出力を実現しています」とのことで、帳票類だけでなく、DMに必要なチラシ、封筒の作成、圧着はがき等の各種印刷物も強化していくという。
「お客様の顧客に対してしっかりとアピールできるような商材を企画し提供していくことで、お客様のニーズに応えていくしかないと考えています」と、川瀬社長は決意を述べた。



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