株式会社上田写真製版所■顧客のニーズをデザインで的確に捉えて形にする

クリエイティビティをモットーに、顧客の売上に貢献するためのさまざまな媒体を制作しているのが、企画・デザイン制作会社の株式会社上田写真製版所である。事業は紙媒体の制作だけでなく、商品プロダクト、ECサイト運営まで多岐にわたっている。上田武彦社長に経営方針と事業内容について話を伺った。


株式会社上田写真製版所

〒112-0015
東京都文京区目白台2-17-12
https://uss-ueda.co.jp/  

代表取締役社長
上田 武彦氏(GC東京)

創造性のあるDTPとWebで顧客に貢献

1954 年に設立した株式会社上田写真製版所は、当初は文字組版を中心に行っていたが、90年代に入ってDTP制作に移行。市場や顧客のニーズが広がるにつれてデザインを展開していく必要性を感じ、社内でデザインを強化するためにデザイナーを育成してきた。事業は製版までワンストップで展開している。
しかし、「デザイン業務が定着してきますと、企画から受注する機会が増え、制作全体の方向性を示すディレクション業務が求められるようになってきました。そこでディレクターを採用し、クリエイティブな仕事を受注するようになりました。ホームページも顧客のニーズがあればDTPのスタッフが掛け持ちで制作していました」。
このように早い時期からWebの仕事に着手した同社は、現在は動画を取り入れたデザインで高品質なWebサイトを企画し制作している。「 ホームページの制作を引き受けたら、その延長として会社案内などの印刷物も受注し、また逆に会社案内や冊子の制作を受けたら、これからはホームページが必要だと提案するようにしています」と、紙とWebの両方を受注できる体制を築いている。
業種柄、老舗会社が多い印刷業界であるが、上田社長で4代目ということで来年には創立70周年を迎え、老舗会社の仲間入りになる。同社のホームページのコンテンツにもCG動画が取り入れられており、デザイン力がますます高まっている。
コロナ禍になって都下に在住のデザイナーはテレワークのスタイルをとっているとのこと。「毎朝、Zoomを使ってミーティングを行っており、SNSを使ってコミュニケーションをとっています。また、協力会社も数社ありますが、皆さん以前から在宅で仕事をしてもらっていますから、テレワーク業務には慣れています。それに弊社は印刷機を保有せず、製版・印刷業務を外注に出しているため、社員をテレワークに移行させやすい面もあります」と、ハードがパソコンだけというDTPならではのメリットでテレワークが定着しているという。

職場体験などの社会貢献に取り組む

現在、事業は広報ソリューション分野では、CI/VI開発、会社案内、リクルートパンフレット、社内報制作など、また商品プロダクトソリューション分野では、ブランド開発、ロゴマーク、商品パッケージ、販促物全般、さらに、ECサイトでは、お年賀ショップ「干支屋」、パンの缶詰「PANKAN」、「ペットのカレンダー屋さん」、「選挙為書き拝送便」を運営している。
このようにDTP 制作だけでなく、デジタル化やインターネットの普及・拡大に伴い、企画力、デザイン力を活かして顧客企業のブランディングから販促物の企画・開発、さらにはECサイトで自社商品の販売と、多角経営を展開しているのが特徴である。
「弊社では社員のスキルアップを図るためにも、何でも引き受けられる技術を見つけてきました。というのも、将来社員が独立した時に、身に着けた技能が活かせるようになってもらいたかったからです」と、将来を見越した人材育成に取り組んできた。
「弊社はお客様が伝えたいことや作りたいことを、言葉や画像を使って形にして提供することを信条にしています。そのために受け手の心を動かすデザインとはどういうものかを、お客様と共に考えて具現化することに注力しています」と、上田社長は制作における理念を話す。
また、東京都の東京しごとセンターが行っている「職場体験」の協力会社にもなっているとのこと。「結婚や出産・育児、介護などからいったん離職したものの、もう一度働きたいという女性に対して、弊社の仕事や職場を1日体験していただくものです。既に9年目を迎えており、連絡が入ると毎回1名か2名を受け入れています」と、女性の再就職支援にも取り組んでいる。
さらに社会貢献事業として、『パンの缶詰・救缶鳥プロジェクト』も実施している。先ごろ、ウクライナへの緊急食糧支援活動において、協力者からの支援を集めて寄贈したことで、(一財)日本国際飢餓対策機構から感謝状が贈られた。
「パンの缶詰は、『PANKAN』の名で備蓄・非常食用として販売していますが、昨今は“美味しいノベルティ”といった企業の販促品としても力を入れています」とのことで、顧客の要望に合わせた缶詰のデザインを提供している。
「これからはデザイン力がますます問われてくると思います。お客様がエンドユーザーと最適なコミュニケーションを築けるよう、お客様のニーズを的確に捉えて、それを形にしていくことが弊社の役割だと思っています。そのために媒体をよりクリエイティブで魅力あるデザインにブラッシュアップし、お客様の成果に繋がる仕事をしていければと考えています」。



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