株式会社アズワン■カタログ制作の課題を自動組版で解決する!

カタログ、雑誌など出版印刷物の原稿制作・編集・デザインを事業展開している株式会社アズワン。特に数百頁もあるカタログ制作の自動組版を得意としており、顧客から多大な信頼と定評を得ている。同社を率いる中田朋樹社長に、事業内容と自動組版について話を伺った。


株式会社アズワン

〒162-0801
東京都新宿区山吹町333
江戸川橋アクセス 5F
https://az1.co.jp/  

代表取締役
中田 朋樹氏(GC東京)

30年にわたって自動組版に携わってきた

株式会社アズワンは1996年に設立し今年27年目を迎えるDTP 制作会社で、従業員は総勢40 名ほどである。一昨年、前社長の枠元孝夫氏の後を継いで3代目の社長に就任した中田社長は以前、編集プロダクションでバイクの雑誌の編集長として制作に携わり、自動組版ソフトを使って効率的な制作体制を立ち上げた。
「30年程前から自動組版に着目し、雑誌やカタログを自動組版で制作していくことを提唱し、編集プロダクションながら自動組版ソフトを使ったDTP 制作を始めることになりました。自動組版ソフトは当時市販されていたものを使用しましたが、自社で使えるようにカスタマイズし、自動組版のワークフローは作業する自分たちで構築しました」と、雑誌制作もしながら本格的に自動組版による業務を推進していった。
最初に自動組版で取り組んだのは自らが制作する中古オートバイ情報誌だった。これをパワーマック8100にQuarkXPress3.3Jと自動組版ソフトDTP603 を使用して制作。以後、さまざまな自動組版ソフトを使って業務を展開していった。
2012年にはInDesignのリリースを受けて、InDesign対応データ抽出ソフト「Abstract」を株式会社オープンエンド(現タクトシステム㈱オープンエンド事業部)と共に開発・発売した。
自動組版によるカタログの制作事例は、入稿データ(エクセル、CSV、画像など)を受け取り、画像加工(CMYK変換・補正・リサイズ)した後、自動組版ソフトを使用して組版する。PDFなどで出校し赤字がなくなるまでやり取りし校了。入稿データを作成し顧客に納品するという流れになる。さらに、校了データからデータをCSVに書き出し、次回作成時の元データやWeb展開用のデータとしても提供する。
DTPの発展と共に自動組版システムも進化を遂げてきたわけであるが、中田社長が言うには「基本的には30 年前も現在も自動組版の概念は変わっていません。ただしDTPソフトやPCの機能向上、インターネット環境と共に進化し続けており、どんなカタログや雑誌であっても、ある程度の定型の組版で制作するのであれば、自動組版で行ったほうが短時間で効率的なのは明らかです。弊社では見開きのカタログ頁を『自動組版VS手動組版』と題して、実際の作業時間を比較した動画を制作したところ、自動組版のほうが手動組版より約17倍の速さで仕事を終えることができました。時短によるメリットは絶大ですから、もっと顧客に訴求して自動組版のメリットを訴える働きかけが必要だと思っています」と話す。

同業他社と共に自動組版のメリットの普及活動

そこで2020 年、自動組版を社会に普及浸透させる目的で、同社はじめ、自動組版やマニュアル制作を専門とする㈱ニューキャスト(GC中部)、㈱サイバーテック、アンテナハウス㈱、㈱N.ジェンの5社が集まってACDC(自動組版普及委員会)を設立した。同委員会では定期的に自動組版に関するWebセミナーを開催し、成功事例、メリットを紹介し普及に努めている。
さらに、DTP の現場では2017 年に「Adobe InCopy」を使った雑誌制作を開始した。「Adobe InCopy」は、InDesignと連携し、編集者、ライター、デザイナーによる同時進行ワークフローを実現する文書作成・編集アプリケーションである。
これまでInDesignに対応していない編集者やライターは、データを編集することができなかったが、InCopyを使えば、デザイナーがInDesignで制作したレイアウトにテキストを直接入力し修正できる。これによって納期短縮、コストダウンが図られるだけでなく、労働環境も改善されるというメリットが生まれる。「使い勝手が良いシステムなのですが、制作現場であまり使用されていないのが残念です」という。
同社ではこの「Adobe InCopy」とDTPサーバーを組み合わせた雑誌制作ソリューション「自分でDTP」を開発・提供。また『Adobe InCopyを使った雑誌制作改善ソリューション読本』を作って、デザイン・DTP 制作会社、出版社などに向けてInCopyの採用を促している。
デジタル化で紙のカタログの需要の行く末が気になるところだが、「消費者は、いつも購入する商品はWebカタログで発注しますが、紙のカタログであれば新しい商品の発見に繋がりますし、視認性や検索性にも優れているのが紙のカタログだと思います。ですから、消費者のニーズに応える点からも、まだまだ紙のカタログを作る意義と需要はあると考えています。弊社ではいかに効率的に制作し、お客様の課題を解決して収益に繋げていくかを考えています。また、カタログだけでなくデザイン性の高い制作物をいかに自動組版で行うかも提案していますし、制作体制も柔軟に対応していますのでご相談ください」と、中田社長は今後も自動組版ソフトを駆使したDTP 制作で、顧客のニーズに応えていくと話す。



Adobe InCopy 自動組版 GC東京 Fellowship