株式会社リーガル■人との交流と好奇心が新規事業開拓の原動力に

DTPから印刷まで手掛ける中で、人との交流から果物の通販という新規ビジネスに乗り出している株式会社リーガルの間島満雄社長。その好奇心旺盛なチャレンジ精神とコミュニケーション力は大いに見習うべきものがある。新しい事業を中心に話を伺った。


株式会社リーガル

〒113-0033
東京都文京区本郷3-39-3
木村ビル 6階
http://www.regal-inc.jp/top.html  

代表取締役
間島 満雄氏(GC東京)

オンデマンド印刷機で小ロットは内製化

高校卒業後、長野県上田市から上京して公務員となったものの、夜間の美術学校に通いグラフィックデザインを学んだ間島社長。「文字とデザインが好きでしたので、ゆくゆくはグラフィックデザインの仕事がしたいと考えていました。卒業後は知り合いのつてでデザイン会社に入って数年間勤めた後、横の繋がりから仕事をいただきながらフリーランスで仕事をし、1976年にリーガル企画を設立しました。写植による版下製作が主体でした」と、述懐する。
70年代の日本は急速に経済成長を遂げていた時代で、グラフィックデザインを含めた印刷産業も市場が急速に拡大し、技術革新も目まぐるしく伸展していた。
「広告制作をする仕事が多かったため、版下は人手を使うより機械を使って自動化するほうが効率的だと考え、かなり早い時期にCADを導入し版下を制作していました」と言う間島社長。
現在はDTPによる印刷データの制作を中心に、展示会やイベント関連で必要となるデータや印刷物、ノベルティ等を制作する仕事が主流とのことだ。
「カラーオンデマンド印刷機を持っていますから、DMやチラシ、写真集の小ロット印刷なら内製化することができます。ただし、ロットの多いものは仲間の印刷会社に外注していますが」と、仕事はさまざまなお付き合いから入ってくるという。
特に間島社長はクラシックカーに関心を持っており、趣味の域を超えている。実際、印刷業界や他業種で交流のある経営者の仲介をして車の販売まで手掛けている。また、カメラも趣味にしており、クラシックカー仲間が集まったイベントに参加して写真を撮り、オンデマンド印刷機で写真集を制作し記録に残している。こういった多方面での仲間たちとコミュニケーションを図ることで、印刷の仕事に繋がることも少なくない。
さらに、近年はさまざまな交流を通じて知り合った人たちや友人から農作物の生産者を紹介されることもある。それによって農産物の販売も手掛けることになったという。
「何事にも好奇心を持つ性格ですので、それが新しいビジネスを始める原動力になっているのかもしれません」と話す。

果物の通販という新規ビジネスに進出

現在は果物を中心に通販事業(ナチュラルライフ事業部)を開始し、商品の選別、販路拡大に注力している。
「台湾産パイナップル、マンゴー、ライチ、信州産シャインマスカット、リンゴなど、旬にこだわった果物を一番美味しい時期にお届けすることをモットーにしています。とにかく新鮮なうちに生産者から直接お客様に届けることを第一に考えています。新鮮で美味しいものを望んでいるお客様がいますから、そのニーズに応えるようにしています」とのことで、安心・安全な食品を素早く届ける異業種のビジネスに進出した。
新鮮で美味しい果物を直接顧客に届ける通販事業は、人とのネットワークから新たに始めたビジネスだ。高級食品を求める富裕層に届けるというニッチなビジネスと言えるが、確実に一定数存在する市場であるだけに、今後の展開に期待を寄せている。
間島社長は絵心があることからイラスト制作も手掛ける。生産者から果物の収穫予定が入ると、果物のイラストを手描きし、カラーオンデマンド印刷機でDMを制作して顧客に郵送している。
「スピーディー」「クオリティー」「コミュニケーション」をビジネスの信条にしている間島社長。それは今回の通販事業に反映されていることから分かる。
「地方で美味しい果物を作っている生産者の方と、それを求める富裕層を直接繋ぐビジネスになりますから、生産者と一人ひとりの顧客を大切にすることで、仲間から有益な情報をいただいたり人を紹介されたりしています。あとはそれをチャンスとして捉え行動することがビジネスでは大切だと思っています」と話す。チャレンジ精神と好奇心を持って精力的に取り組む姿勢には、大いに見習う必要があると言えるだろう。
来年2月には東京国際フォーラムで「サステナブル・ブランド国際会議2023」が開催されるのを受け、そこでの展示物のデザイン制作作業に入っているとのこと。これも横の繋がりによって依頼されたケースだという。それだけ間島社長が日々人との交流を大切にし、精力的に信頼関係を築けているからこそ、仕事の話を紹介されるわけである。これからはデザインから印刷、そして物流まで携わっていくとのことだ。



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