株式会社飛鳥■顧客の笑顔と満足を創出するビジネスを

顧客が伝えたい「想い」を受け止め、印刷、Web、映像などの媒体でより良い「カタチ」を提案している株式会社飛鳥。メインは印刷ではあるものの、近年はオンラインのホームページ制作サービス「A-TOOL(エイツール)」の注力と、デジタルコンテンツ制作を強化している。永野正将社長に話を伺った。


株式会社飛鳥

〒780-0945
高知県高知市本宮町65-6
https://www.asuka-net.jp/  

代表取締役
永野 正将氏(GC四国)

ホームページ制作ツール『A-TOOL』を販売

永野社長がご尊父様から事業を承継したのが 2010 年のこと。突然、後継者として引き継ぐことになった。「当時、専務取締役に就いていて、既に基本的な経営判断を任せてもらっていましたから、事業承継の心構えはできていました」。2003年頃から高知県中小企業家同友会の活動に参加し、人を生かす経営を学んできたことも助けになった。
同社は、かつては自費出版に積極的に取り組んできたが、デジタル化によって出版物が減少傾向になり、近年はデジタルコンテンツ制作を強化していく方針を打ち出している。同社では7、8年程前から、オンラインのホームページ制作サービス『A-TOOL(エイツール)』を提供しているが、同ツールはサイト運用におけるさまざまな機能を備えていて、ホームページの構築及び編集、更新が簡単にできるCMSになっているのが特徴である。
「既存のCMSを当社のオリジナルシステムとしてOEM販売しています。ホームページを制作・運用させていただき、お客様からサーバーやシステムの使用料として毎月一定の料金をいただく方式ですから、ストックビジネスと言えるでしょう」。
全体の売上からすればまだまだ小さいが、顧客から毎月安定した収入が得られる。「ホームページを運用することで、お客様から取引の中止がない限りは、永続的にお付き合いしていただけるのがメリットです」とのことで、顧客の囲い込みに繋がっている。
Web制作を始めたのは、社員の中にWebに関心があり、Webデザインができる人材がいたからだった。その社員が中心となって事業を展開しており、次第にWebデザイン業務を拡大しつつ、新たなデザイナーの育成に繋げている。
Webサイト制作の業務はたしかに増えてきているが、売上構成比について「売上のほとんどは紙媒体で、パンフレットや資料、自費出版など冊子物などを中心とした紙媒体の印刷が主流です。サイト制作やデジタルコンテンツの売上はまだまだ少ないです」という。
「ただし、『A-TOOL』を1つの武器にしてお客様との関係を構築し、印刷など他の媒体制作にも繋げていくことを目指しています。印刷だけですと他社との価格競争になるだけですが、ホームページで営業を仕掛けますと、お客様も関心を示して話を聞いてもらいやすくなります」と、印刷物の受注に繋げていく仕組みとしてWeb事業を活用している。
『A-TOOL』の営業については、同社のホームページを見て問い合わせがあるというよりも、実際の営業や展示会に出展した時にブースで知ったり、あるいは顧客からの紹介であったりと、意外とアナログルートから問い合わせや注文があるという。

印刷を根幹にデジタルの枝葉を伸ばしていく

同社では顧客との関係性を非常に重要視しており、できるだけリアルな営業で細かなニーズに応えていくようにしていると話す永野社長。「営業担当者の対応力は重要だと考えています。また、スピード感を大切にしています。例えば、見積もりを依頼されれば、案件にもよりますが、当日もしくは遅くても翌日には連絡するように心掛けています。とにかくレスポンスを速くすることに注力しています。そして社員には、お客様のためにいま何をすべきかを常に意識してもらっています」。
現在社員は14 名とのこと。今後の課題として「もっと営業力を高めていく必要があると思っています。今年は新卒を1名入れましたが、今後も営業の人材を育てていくつもりです」。
「社員とはできるだけコミュニケーションをとって交流しているつもりです。社員同士は常にメーリングリストで情報共有していて、営業会議などでアイデアを募ったり、仕事に繋がることについて話し合ったりしています。社員から仕事の在り方や取り組みたい仕事について発言があった時は、しっかりと聞いてできるだけ要望に添うようにしています」と話す。
また、「『飛鳥に関わる全ての人の心からの笑顔と満足を創出します』という経営理念を掲げて、社員にはその理念を持って仕事に臨むよう話しています」とのことだ。
生産管理ではFileMakerを使ってオリジナルの生産管理システムを構築している。どの顧客から受注があり、その案件内容がどういうもので、仕事の状況がどのようになっているのかをデジタル化し、全社的に把握できるようにしているという。
同社は菊半裁のオフセット4色機、オンデマンド印刷機、CTP出力機を設置している。「当社の事業の根幹はあくまでも印刷ですから、印刷を軸にして、そこからデジタルコンテンツという枝葉を伸ばしていければと考えています」と、永野社長は印刷に重点を置いた経営は今後も変えないと述べる。



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