江戸製版印刷株式会社■製版技術を基盤に顧客の新しい価値を創造する

「お客様と共に新たな価値を創造する」を経営理念に、印刷からデジタルコンテンツまで幅広い事業を展開している江戸製版印刷株式会社。培った製版技術を大切にし、新たなビジネスを開拓している髙山昭和社長に話を伺った。


江戸製版印刷株式会社

〒113-0033
東京都文京区本郷2-17-2
https://www.edo.co.jp/  

代表取締役社長
髙山 昭和氏(GC東京)

ノベルティグッズ 製作やネット通販にも注力

同社は、昭和3年に東京文京区の同地で「江戸写真製版所」として創業して以来、今年で 94 年を迎える老舗の製版会社である。
経営理念では、顧客と共に新しい価値を生み出すことを掲げている。「社会の中で人々の暮らしに役立つ出版関連に貢献したいと考えています。長年培ってきた技術と新しい時代に即した技術で、出版関連のみならず印刷分野などをはじめとした印刷・出版関連分野のお客様と共に、社会貢献の一翼を担う会社でありたいと考えています」と、髙山社長は話す。
現在社員は70 名ほどで、東京本社の他に函館事業所を保有し全国展開している。事業は「DTP&デジタルコンテンツ制作事業」「オンデマンド印刷・製本事業」「グッズ企画・制作事業」「インターネット通販事業」の4 本柱を構築し、さまざまなニーズに応えている。
まず「DTP&デジタルコンテンツ制作事業」では、数多くの出版社との取引で、培った高度なノウハウと組版技術で、紙媒体の雑誌、書籍、単行本用のデータをスピーディかつ高品質に提供している。
「オンデマンド印刷・製本事業」では、最新鋭のデジタル印刷機と製本機器を取り揃え、チラシ・パンフレットなど多様な品目を小ロット印刷・製本加工。顧客の要望に合わせた最適なソリューションで応えている。「グッズ企画・制作事業」では、キャラクターグッズをはじめ、販促用のノベルティグッズなど、企画・デザインから商品製造まで全てをワンストップで請け負い、顧客の販促活動をサポートしている。
「インターネット通販事業」では、BtoB 向けECモール『nairel(ナイレる)』を立ち上げ運営し、UVインクジェットプリンタとレーザーカッターを使って多彩なグッズを製作し、「1個から」受注している。既製の商品への名入れ印刷はもちろん、アクリルキーホルダーをはじめとしたオリジナルグッズの製作で幅広いニーズに対応している。
「nairelでは、セールスプロモーション製品から物販品までお客様のニーズに沿った幅広い製品を取り揃えています。ご要望により2 種類以上の商品を組み合わせたアソートギフトや、サイトにない商品のお取り扱い、また、最初から作成する完全オリジナル商品も提供しています」と、きめ細かく顧客のニーズに応えている。

マンガ制作を主体に出版社のニーズに応える

得意先は大手出版社で、中でも小学館とはマンガの制作や書籍、雑誌の仕事で強固な関係を結んでいる。マンガのデータ制作を担っているのが、マンガを作る工場のある函館事業所である。30 数名の社員がマンガ制作に携わり、出版社とデータのやり取りを直接行っているとのことだ。
「読者がスマホでマンガを読む時代になったことで、出版社では電子コミックやデジタル配信に注力しだしました。そのため、弊社としてもそれらデジタル知識を得て、新しいコンテンツも提供できるようにし、これからもお付き合いいただけるようにしていきたいと思っています」と、髙山社長は今後デジタルコンテンツへの対応が不可欠だと話す。
「マンガのデータは白黒1色がほとんどですから、出版社さんがその白黒データをカラーの動画や3DCGにしてデジタルコンテンツとして見せていくことも考えていらっしゃるようです。弊社としてもそれに対応できる技術や知識を獲得して、出版社さんのご要望に応えていくことが大切だと感じています」。
人材教育に関しては、「現在の仕事に課題を持って掘り下げていくことが重要だと考えています。それで社員には、出版社さんが何を考え、次に何をしてほしいのかをイメージして提案できるようにしていくことが重要であると話しています。また、出版社さんが読者の方にコンテンツやノベルティを提供される際に、我々としてはどんなお手伝いができるのかを、読者の目線に立って提案していくことが必要だと感じています」と、出版社の顧客であるエンドユーザーの視点に立った提案が重要だと説く。
「社名に製版という言葉が入っていますが、同業者の中にはデジタル時代への対応ということで、社名を変えられる企業さんもいらっしゃいますが、弊社にとって『製版』は代々培ってきた技術がありますし、基盤となる大切なものです。製版にはモノを作るきっかけを作っているという認識を持っていて、グラフィックやデザインというクリエイティブな前工程の分野を担っています。この言葉は今後も残していきたいですね」と、髙山社長の製版への想いは熱い。



マンガ制作 ノベルティ GC東京 Fellowship