株式会社アラジンイデア■オンデマンド印刷で多様化するニーズに応える

オンデマンド印刷に特化している株式会社アラジンイデア。デジタルツールと親和性があるオンデマンド印刷機を駆使して、顧客の多様化するニーズに柔軟に応えている。同社のワンストップサービスの全容を紹介する。


株式会社アラジンイデア

〒101-0003
東京都千代田区一ツ橋2-4-3
光文恒産ビル
https://www.aladdin-idea.co.jp/  

代表取締役
渡辺 修氏(GC東京)

設立当初からオンデマンド印刷一筋に

データ処理加工からプリント、加工、製本、仕分け、発送までワンストップサービスを展開している株式会社アラジンイデア。同社では顧客の業務フローに合わせたオンライン発注の仕組みを構築し、徹底した品質管理とセキュリティ管理の下で、顧客の信頼に応えている。
同社は2000年にオンデマンド印刷の専門会社として設立して以来、オンデマンド印刷に特化し、印刷需要を拡大してきた。市場で多品種小ロット化が進み、オンデマンド印刷機の品質・生産性が年々向上していく中で、同社も設備の増強を図って発展を遂げてきた。今回の取材では、2014 年に開設した川口ファクトリー(埼玉県川口市東領家4-18-7)に伺い、渡辺社長に経営方針、事業内容、生産ラインについて話を伺った。
まず、設備で特筆すべきは、本社と川口ファクトリーを合わせてカラー機が7台、モノクロ機が 3台と、多数のオンデマンド印刷機を所有している点である。カラー機1台のリコー製を除き、富士フイルムビジネスイノベーション製で統一している。また、製本工程でバリアブル対応を担っているのがホリゾン製の中綴じ機、無線綴じ機だ。1冊1冊、ページごとに照合し検査装置を経て製本している。
他社にない設備としては、メトロテック社製の和封筒対応6点封入・封緘機を導入。同機は宛名台紙に印刷されているコード番号をカメラで読み取り、それぞれの封筒内に封入物をセレクト封入する機能を有している。
その他、ハガキ貼り合わせ機、断裁機、折り機、ミシン加工機、穴あけ機、枚数カウンターなど、後加工で必要な設備を一通り揃えて、さまざまなニーズに応えている。
さらに、CCDカメラ・重量センサーによる検査装置を複数台設置し、データ照合を行い画像保存し、宛名間違いの事故を防止するため徹底した品質管理体制を敷いている。

デジタルツールと親和性が高いのがメリット

得意としているバリアブル印刷については、「コロナ禍になって、在庫レスや小ロット化に新たに対応されるお客様が出てきています。データベースから情報を抽出し、1枚ずつ内容の異なるバリアブル印刷にすることで、訴求力と集客力のアップを図るサポートをしています。お客様の要求する属性や購買履歴に応じて印刷内容を自由に差し替えることが可能です。デジタルデータとオンデマンド印刷は親和性が高いですから、その点をアピールすることでバリアブル印刷の需要はまだまだ広がっていくと思います」と、渡辺社長はデータベース処理の市場拡大で、バリアブル印刷の需要の伸び代はあるとみている。
さらに「シリアルナンバーやバーコードの印字だけでなく、QRコードを活用して印刷物からスマホサイトへ誘導する仕組みや、デジタル抽選システム、Webでのアンケート入力フォームなど、印刷物と顧客情報の連携を念頭に置いたサービス提供も行っています」と、新たな需要への対応もしているという。
また、顧客のWebサービスや基幹システムと同社のサーバーを連携させて、バックエンド業務も支援している。例えば、ECサイトサービスの製造ファクトリーとして生産・出荷の業務を代行。 受注データから生成したPDFやCSVデータをダイレクトに印刷ラインに繋ぐというもの。生産ステータスや出荷情報もシームレスに連携することが可能になっている。
多品種で部数もそれぞれ異なる製品であっても、自動処理による間違いが発生しない工程を構築し、確実に生産することに特に注力している。
「複雑なセット作業や複数個所への発送もワンストップで対応できます。紙媒体はデジタルコンテンツと違ってお客様に届けるまでにある程度時間が掛かってしまいますが、弊社は内容によっては即日納品にも対応しています」と、短納期化にも努めている。
川口ファクトリーの生産ラインを見ていると、既にスマートファクトリーと言える体制を構築していることが窺えるが、単に自動化し生産性を高めるというだけでなく、同社の最大の特長は「最先端のデジタルテクノロジーによる自動処理だけでなく、ラインに乗せられない数百という小ロットについては手作業で封入したり、人の目で検査したりする細かな対応が必要になります。日々の業務は決して大ロットばかりでなく、そんな手作業を要する小ロット分野が多いです。小回りが利く体制でお客様の多様化する要望に柔軟に応えています」とのこと。
「デジタルツールと親和性が高いのがオンデマンド印刷の特長ですから、今後はそういう面をさらに追求し提案していきたいと思っています。そして、顧客の業務フローに合わせた生産体制を築いて、顧客の信頼に応えていきます」と今後の方針について話した。



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