株式会社東京ニュース■想いが伝わるコミュニケーションを目指す

2022年、新たなミッションとして「BtoX Communication Company」を掲げた株式会社東京ニュース。次代のリーダーである田村寿康取締役に、新事業やミッションについて話を伺った。


株式会社東京ニュース

〒101-0042
東京都千代田区神田東松下町10-5
翔和神田ビルⅡ
http://www.tnews.co.jp/  

取締役
田村 寿康氏(GC東京)

他社で学んだスキルや知見を自社に活かす

株式会社東京ニュース(田村壽孝社長(前GCJ会長 ))は、1950 年の設立以来、新聞・雑誌の広告製版会社として広告物の企画から制作、DTP、製版、印刷まで幅広い分野で事業展開してきた。現在、社員40名を有しており、これまで「Customer Intimacy(お客様との親密な関係を構築する)」「Operation Excellent(品 質 の 追 求)」「Product Innovation(お客様へ提供するサービスの絶え間ない変革)」の3つの事業方針を掲げて事業に取り組んできた。
そんな同社は、今年新たなビジョンとミッションを掲げてスタートを切った。今回取材に応えていただいたのは、企画デザイン部部長兼経営企画室室長の田村寿康取締役で、将来の同社を背負う次世代のリーダーとして嘱望されているパーソンである。
田村取締役は2009年に大学を卒業し、株式会社帆風に新卒で入社した。「印刷の基礎を叩き込んでいただきました。営業を担当し、拡販だけでなく新規開拓にも注力し、いろいろと学んだことが、いま大いに役立っています」と振り返る。帆風に7年勤めた頃に、田村社長から一緒に会社を手伝ってほしいと打診され、二つ返事で了解したという田村取締役。「ただし、東京ニュースにないスキルや知見を身に付けてから入社したいと伝えて、PR会社に入って約2年半、さまざまなPR 業務に携わりました」とのこと。
2020年1月に東京ニュースに正式に入社したものの、新型コロナウイルスの感染が広がり始めた時期だった。「いろいろな方々とお話をしながら仕事を進めていきたかったのですが、コロナの状況が悪化したためオンライン営業にシフトしたり、リモートワークを導入したりして対応せざるを得ませんでした」と当時を振り返る。現在でもリモートワークを活用しながら仕事をしているという。
今日ではデザインの重要性が取り沙汰されているが、同社もデザイン分野をさらに強化し伸ばしていく必要があるとのことで、企画デザイン部として独立させて田村取締役が責任者に就いているとのことだ。

届けたい想いや相手に合わせた最適なデザインを提供する

「デザインに携わっているデザイナーは本社に8名、音羽ブランチに1名と、計9名がデザイン業務に従事しています。ただし、弊社はデザインの他に製版、印刷の3本柱で事業展開しており、今後もこの3本柱は大切に守りながら推進していきます」。
しかし、減少する印刷需要を補うために新しいビジネスにもチャレンジしていかなければとし、新規開拓にも余念がない。その具体的な商品として紹介したのが、同社営業部長と共に取り組んだ「アーモンドアイ引退記念純金プレートセット」。アーモンドアイは数々のGIレースで優勝し、2020 年11月に引退した競走馬であるが、その引退記念グッズとして企画され、純金のカードをセットにして販売したものである。同社はこの特殊印刷されたプレートをはじめとした商品の企画・製作を手がけた。「これは広告会社様と新聞社様と弊社の3社による協業で取り組んだ事業です。騎手の直筆サイン入りカードと純金プレートをセットし、シリアルコード入りの限定100個を作りました」とのことで、ECサイトで販売し完売したという。
「純金を極薄のシート状にして印刷する特殊加工技術が施されており、その技術を持っている会社に依頼して製作しました。2021年4月には第二弾を販売し完売。現在は新たな企画を準備しています」という。今後、同社はこのような付加価値の高い商品の企画・デザインにも注力していく方針である。
同社は今年になって「想いで世界をつなげる」という新たなビジョンを掲げた。「世の中のアイデア・商品・サービスには、それぞれに想いが込められていると思います。そして、どんなにテクノロジーが進化しても、想いを贈るのも受け取るのも人々の心であることに変わりはありません。想いを人々の心に繋げることで、心が動く瞬間が増え、私たちを取り巻く世界が面白く、素晴らしいものになっていくと信じています」という。
そこで、「『 BtoX Communication Company』とし、人々の嗜好やコミュニケーションチャネルが複雑化している現在では、BtoBやBtoCのような画一的なアプローチではなく、多様な相手である“X”に合わせたコミュニケーションが求められています。例えば、相手が求めている情報を、時機を見定めて魅せ方を工夫して伝えるということ。さらには、我々のお客様にとっての顧客である生活者や企業のことも考え抜くというのが重要だと考えています。そのために、外部パートナーと連携してデータ分析ツールを導入するなど、想いとコミュニケーションをデザインするための新しい挑戦に取り組んでいます」と田村取締役は述べる。
同社は今後、コミュニケーションデザインの考え方やデータマーケティングの手法などと、これまで培ってきたグラフィック領域での技術や知見を組み合わせて、“伝わる”コミュニケーションを実現していくことに邁進するとしている。



広告製版 デザイン BtoX GC東京 Fellowship