株式会社グラフト■仕事に真摯に取り組み正確に美しく制作する

Face to Faceの営業で得意先と強固な関係を築き、さまざまな要望に確実に応えていくことをモットーにしている株式会社グラフト。宇田川裕孝社長に経営方針を中心に話を伺った。


株式会社グラフト

〒101-0063
東京都千代田区神田淡路町2-23-1
お茶の水センタービル 7F
http://www.glaft.co.jp/  

代表取締役
宇田川 裕孝氏(GC東京)

顧客目線で要望を捉えて強固な関係を築く

同社は書籍、定期刊行物などの頁物から商業印刷全般までさまざまなデザイン・DTP制作を事業の主体に、クリエイティブサービスを提供している制作会社である。近年はWeb制作、システム開発などデジタルコンテンツ制作やデータベース構築の事業も展開し、顧客のデジタル化をサポートしている。
「弊社はDTP が主な事業で、売上の大半を占めています。もちろん印刷も受注しますが、印刷機の設備はありませんから印刷から後工程は外注に依頼しています。一般的にはDTPを包括して印刷を主体にしている印刷会社が多いと思いますが、弊社はDTPに特化して、正確な仕事とデザイン力による高い品質でニーズに応え、お客様の売上に貢献していくことを追求しています」と、宇田川社長は経営方針を話す。
同社がDTPに特化した事業展開が可能なのも、制作力と高い品質を保つための管理が行き届いていることと、Face to Faceの営業によるところが大きい。「新規顧客開拓は確かに重要ですが、それ以上に既存のお客様を大切にしっかりと訪問営業をして、細かい要望に応えていくようにしています。とにかく正確にきっちりと仕事をしていくことをモットーにしていますから、その点をお客様に評価していただき、その信頼感から長くお付き合いをしていただいているのかなと思っています」と、営業については直接訪問し強固な関係を築くことに重点を置いているとのことだ。
「お客様の仕事に真面目に取り組み、真摯な態度で仕事をしていくことが大切です。ですから、それを高く評価していただき仕事を発注してくれるのだと思っています。仮に50点程の仕事で了承してくれるお客様であっても、自ら100点に近い仕事をしていくことが重要だと考えており、顧客の立場に立って仕事をしていれば、お客様はそのことを評価されて仕事を発注してくれるものではないでしょうか」。宇田川社長は顧客が要求するレベル以上の仕事を、真摯な態度で追求していくことの大切さを説く。
営業においては、顧客が望む以上の仕事を目指すために、本業でできることでプラスアルファの提案を行い、顧客の満足度をさらに高めるようにした付加価値の高い提案を心掛けているという。「弊社はお客様からデータを預かって、DTPで修正し作成したデータを納品する情報加工業ですから、その分野の強みを活かして、いかに付加価値の高い仕事をしていくかが重要だと考えています」。

原価管理を可能にした独自のMISを構築

また、顧客からの紹介も重要だと話す。「得意先に出向いた時に、機会があれば見込み客の紹介をお願いしています。新規開拓で飛び込み営業をしますと、100 件飛び込んでも受注があるかないかだと思います。しかし、得意先に紹介していただく企業は話を確実に聞いてくれますから、受注に繋がる可能性が高くなります。また弊社としても、紹介していただいたお客様のことも考えて、より一層よい仕事をしていこうという気持ちになります」と、紹介による開拓のメリットとそれに伴う心構えを話した。
宇田川社長は以前から校正の重要性を感じており、業界でも早くから校正業務に注力してきた。「現在、校正専門の社員が4人います。本来DTPオペレーターが校正まで行えればよいのですが、満足のいく校正は望めませんから、お客様に校正を提示する時は間違いを指摘されない修正率100%に近い状態にしたいので、校正を専門にする担当者を配置し校正を徹底させています」という。
校正業務に注力している背景には、完璧さを求める顧客の追加赤字と制作サイドの修正漏れによる赤字を見分けることで、責任の所在を明らかにして事前にトラブルを回避するためである。また「原稿に不備があれば、その都度コメントを書いてお客様に修正の提案をさせていただくこともあります。それによって助かると言ってくださるお客様もいます」と、校正業務においても付加価値の高い仕事を行っている。
また、同社では20年程前から原価管理を取り入れた独自のMISを「DTP管理マスター」という名称で構築しており、そこに表示された各数値を見て経営方針を定めるという。「システムはFileMakerで構築しています。原価意識を持って営業を行えば、自分の仕事の中身や数字が分かりますから、改善策が見つけやすくなります。また、データベース化によって各セクションの業務でスケジュール・段取りのプランを組むことができますから、業務の効率化に繋がります」と、原価管理を含めた数値管理のメリットを説く。
最後に宇田川社長は、「将来、紙の需要がなくなるとは思いませんが、デジタルに慣れ親しんでいる若い世代が大勢を占めてくると、印刷されずにデータでやりとりする時代になるでしょう。しかし、私たちは人間にしかできない仕事を需要がある限り真面目に取り組み、お客様の信頼に応えていくことで存在価値を見出していくつもりです」と仕事に対する理念を述べて締めくくった。



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